土居通増

土居通増について

土居通増（どい みちます、生年不明 - 建武3年10月11日（1336年11月14日））は、日本の鎌倉時代から南北朝時代にかけて活躍した武将です。通称は彦九郎で、備中守の地位についていました。彼は土居通成の長男であり、弟には通世、通景、通元が存在し、子には通重がいます。

土居氏の背景

土居氏は河野氏の一族で、伊予久米郡の石井郷南土居に居所を構えていました。この地域は武士たちの家系が集まり、各家が領地を維持するために戦っていた時代の名残を色濃く残しています。

後醍醐天皇への帰依

土居通増は元弘3年（1333年）閏2月11日に、鎌倉幕府を倒すべく立ち上がった後醍醐天皇に従い、同じく河野一族である得能通綱や忽那重清、祝安親と共に挙兵しました。彼らはまず伊予守護であった宇都宮貞宗の府中城を攻略し、続いて反幕勢力討伐のために進軍しました。特に、彼は石井浜において長門探題の北条時直を撃退し、幕府の支配に大きな打撃を与えました（『三島家文書 五五〇』）。

戦いの功績

同年の3月1日には、喜多郡にある宇都宮貞泰が拠点としていた根来山城を攻撃し、わずか十日余りで奪取しました。その後も南進を続け、北条時直による再侵犯を星岡で撃退し、ついには讃岐にまで遠征し、幕府側の勢力を打ち破っています。このように、通増は数々の戦闘において成果を上げ、名を馳せました。

建武政権での役割

建武政権成立後、土居通増は従五位下に昇進し、伊予権介、さらには備中守に任命されました。しかし、南北朝の混乱が始まると、通増は通綱と共に南朝側に加わり、新田義貞の指揮下で活躍しました。特に、建武3年2月10日に行われた豊島河原の合戦では、足利軍を撃破し、南朝の戦力を強化する重要な役割を果たしています（『太平記』巻一七「山門攻附千種忠顕坊門正忠討死事」）。

戦死とその後

また、同月には風早郡で挙兵した赤橋重時とも戦闘を交え、5月25日の湊川の戦いにも参加しました。10月10日、再度南朝勢力の再建を目指して北国に向かう義貞に従った通増は、越前へ行く途中、険しい山道にて斯波高経の奇襲を受けました。彼は予想以上の寒さと兵糧不足の中、高経の攻撃に対抗したものの、戦死してしまいました。通増が不慮の死を迎えたことは、彼の一族や南朝にとって大きな損失でした（『梅松論』）。

まとめ

土居通増の生涯は、時代の激動と彼自身の勇敢な行動によって彩られています。彼の行動は、鎌倉時代から南北朝時代にかけての武士たちの立ち上がり、権力闘争の象徴とも言えるでしょう。通増の物語は、彼がどのように歴史の中で評価されるべきかを考える上での刺激となるものです。

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