土肥維平

土肥維平（どひ これひら）

土肥維平は、生年不詳ながら鎌倉時代初期に没した武将です。建暦3年閏9月19日（1213年11月3日）に処刑されました。鎌倉幕府の御家人であり、土肥遠平の長男として土肥氏を継承しました。別名として惟平、通称として千次郎、左衛門尉を名乗りました。

土肥氏と維平の出自

土肥氏は、桓武平氏良文流の庶流にあたります。維平は父・遠平から相模国土肥郷と土肥氏の家督を譲られました。義弟に小早川景平、姉妹に伊東祐時室、三浦義村室がいます。子には仲平、左衛門次郎、維時らがいました。

維平の事績

維平は、正治元年（1199年）の梶原景時の変において、景時糾弾の連判状に名を連ねています。これは、御家人66名によるものでした。また、建仁3年（1203年）の比企能員の変では、比企一族粛清のために北条義時の軍勢に従軍しました。

しかし、建暦3年（1213年）5月に勃発した和田合戦において、維平は和田義盛方につきました。この決断が、その後の土肥氏の命運を大きく左右することになります。

和田合戦と土肥氏の衰退

和田合戦で和田義盛方が敗北すると、維平の子である仲平と左衛門次郎は討ち死にを遂げました。維平自身も捕縛され、同年閏9月19日に処刑されました。維平の三男である維時は辛うじて生き延びましたが、維平の父・遠平が養子・景平に継承させていた安芸国沼田荘に下向したこともあり、その後の相模における土肥氏の勢力は失われました。

土肥維平の生涯は、鎌倉初期の激動の時代を象徴するものであり、一族の命運をかけた和田合戦での決断は、歴史に深く刻まれています。

参考文献

『小早川隆景のすべて』新人物往来社編 ISBN 4-404-02517-3
今井尭ほか編『日本史総覧』 3（中世 2）、児玉幸多・小西四郎・竹内理三監修、新人物往来社、1984年3月。ASIN B000J78OVQ。ISBN 4404012403。 NCID BN00172373。OCLC 11260668。全国書誌番号:84023599。
* 『吾妻鏡』

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