垪和氏続

概要

垪和氏続（はが うじつぐ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、後北条氏の家臣として知られています。駿河国の興国寺城の城主でもあり、氏続の家系は室町幕府奉公衆に由来する重要な一族と見なされています。その治世を通じて、垪和氏続は後北条氏の重鎮としての地位を築きました。

略歴

垪和氏続の家族は、美作国の国人で、室町幕府に仕えた垪和氏の子孫とされます。黒田基樹の研究によると、奉公衆として東国に下った垪和氏は、堀越公方の滅亡後に駿河国の御厨地方に土地を与えられました。元々は今川氏に属していたものの、氏続の父子が河東一乱に加わったため、今川氏に土地を奪われた際には関東に退去し、後北条氏に仕官したという説が存在しています。

弘治3年（1557年）7月、氏続は父である垪和伊予守氏堯から家督を受け継ぎました。この年に『北条氏所領役帳』に記録されている知行高は1028貫675文であり、松山衆として重臣に匹敵するものでした。特に後北条氏からは「氏」という通字が授けられており、家臣の中でも特別な位置にあったことが伺えます。

武将としての活躍

氏続は永禄12年（1569年）に武田信玄が駿河に侵攻してきた際に出陣し、同年の8月には駿河興国寺城の城主に任命されました。彼は城の防衛に務め、元亀2年（1571年）の冬には武田勢に攻められながらも、同族の善次郎とともに城を守り抜きました。この功績により、後北条氏の当主・氏政から感状を受け取っています。

また、天正7年（1579年）には垪和又太郎（信之）という名前の人物が北条氏直から「直」の字を賜りました。この又太郎は、氏続の子供であるとも言われています。

生涯の終焉

氏続の正確な没年は不明ですが、天正10年（1582年）の神流川の戦いに出陣した記録や、天正12年（1584年）には北条氏照が北条高広に宛てた書簡にも名前が見えることから、彼はその頃まで生存していたと推測されます。彼の活動は、後北条氏の歴史において重要な一端を担ったといえるでしょう。

参考文献

• - 茂木和平『埼玉苗字辞典』（2004-2008年）
• - 『戦国の魁早雲と北条一族―北条五代百年の興亡の軌跡』新人物往来社（2005年）
• - 『歴史群像シリーズ14 真説戦国北条五代 早雲と一族、百年の興亡』学習研究社（1989年）
• - 『後北条氏家臣団人名辞典』東京堂出版（2006年）

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