城ノ腰城 (下総国)

城ノ腰城について

城ノ腰城（じょうのこしじょう）は、現在の千葉県千葉市若葉区大宮町に位置していた日本の城です。その歴史は古く、中世の面影を残す城郭として知られています。

歴史

城ノ腰城の歴史を語る上で、まず触れるべきは、この地がかつて長峰村と呼ばれていた頃のことです。伝承によれば、この地は千葉常重から坂尾五郎治に与えられ、その家臣である長峰田所三郎胤行が開村したとされています。胤行は、千葉常胤が源頼朝のもとに参じた際、千葉成胤とともに千葉城に籠城したとされる人物で、この地域における重要な役割を担っていたと考えられます。しかし、坂尾五郎治や長峰田所三郎胤行と城ノ腰城との具体的な関係は明らかになっておらず、その後の千葉氏との関係も不明な点が多いのが現状です。

築城者については、城山城と同様に板倉筑後守であるという伝承があります。この板倉筑後守は、1639年に長峰を知行した板倉重直と比定されていますが、江戸時代初期にこのような城を築く必要があったのか、その背景には疑問が残ります。また、「香取造営料足納帳」には、原越前入道が長峰を所領していたとの記録もあり、原氏によって築かれたという説も存在します。

このように、城ノ腰城の築城者や歴史については複数の説が存在し、確定的なことは分かっていません。しかし、様々な歴史的背景を持つ人物が関わっていたことは、この城が地域の歴史において重要な位置を占めていたことを示唆しています。

構造

城ノ腰城は、千葉東インターチェンジの東側、千葉東金道路が京葉道路に分岐する地点にある三角形の台地上に築かれています。この場所は、天然の要害として利用するのに適しており、中世の城郭の特徴をよく表しています。近くにある栄福寺の妙見が、もともと長峰の三角山にあったという伝承がありますが、城との関連性は不明です。

城郭の西側と南側は断崖になっており、支川都川を見下ろすことができます。これにより、自然の地形を活かした防御を可能にしています。東側には、高い土塁と空堀が築かれており、土塁の中央部分が開口し、土橋へと繋がっています。これは戦国時代の出城によく見られる構造で、実戦的な機能を備えていたことがうかがえます。

アクセス

城ノ腰城跡へは、公共交通機関を利用する場合、千葉駅から千葉中央バス「千城局経由大宮市民の森」行きに乗車し、「青柳」バス停で下車するのが便利です。

まとめ

城ノ腰城は、その歴史や築城者、構造など、未解明な部分が多い城郭です。しかし、その立地や構造からは、中世の戦国時代における軍事的な役割を担っていたことが推測できます。また、複数の説が存在することから、この地域における歴史的な重要性を示す史跡とも言えるでしょう。今後、更なる調査や研究によって、その全貌が解明されることが期待されます。

参考文献

平井聖ほか『日本城郭大系 第6巻』新人物往来社、1980年

関連項目

城山城 (下総国)
栄福寺 (千葉市)
亥鼻城

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