真宗出雲路派

真宗出雲路派：その歴史と教え

真宗出雲路派は、福井県越前市に位置する毫摂寺を本山とする浄土真宗の一派であり、67の末寺を擁しています。その歴史は、鎌倉時代に親鸞聖人が山城国出雲路に毫摂寺を創建したことに始まると伝えられています。

沿革

起源と展開

毫摂寺の起源は、親鸞聖人が1233年に山城国愛宕郡出雲路（現在の京都市北区）に創建し、長男である善鸞に託したことに遡ります。しかし、近年の研究では、浄土真宗本願寺派の覚如上人の高弟である乗専が京都出雲路に毫摂寺を創建したという説が有力です。

乗専は覚如上人の第四子である善入を養子とし、寺基を今出川に移しました。善入の子である善智は、越前国證誠寺（真宗山元派本山）の住持を兼ねることとなります。善智は本願寺 пятого 綽如上人の孫である妙欽尼を室とし、さらに妙欽尼の弟を養子にするなど、次第に本願寺との関係を深めていきました。

応仁の乱と衰退

五代目善幸の時代、今出川毫摂寺は応仁の乱の兵火によって焼失しました。善幸は母と共に越前山元庄に避難し、證誠寺に身を寄せます。八代目善鎮は、避難先の山元庄に毫摂寺を再興しますが、1482年に本願寺 восьмого 蓮如上人に帰依し、京都山科本願寺に合流しました。これにより寺勢は大きく衰退します。善鎮は後に越前に戻り、本願寺派の陽願寺を建立しました。

近世の再興と天台宗への принадлежность

1575年、十一代目善秀の時代に、織田信長軍と越前一向一揆勢の戦いに巻き込まれ、山元毫摂寺は再び焼失します。毫摂寺は證誠寺に再び身を寄せることになりますが、間もなくして證誠寺との間で争いが発生し、関係は解消されました。その後、柳原家より迎えられた十二代目善照が1596年に現在の清水頭に寺基を定め、毫摂寺を再建しました。善照は越前各地で教化を強力に推し進め、毫摂寺再興に尽力したため、出雲路派の中興の祖とされています。

江戸時代に入ると、毫摂寺は天台宗の青蓮院門跡の院家として天台宗に所属することになりました。歴代門主は花山院家の猶子となる慣習があり、寺紋は花山院家の家紋である菖蒲菱となっています。

明治以降の独立

明治時代に入り、1872年に浄土真宗本願寺派と合同しましたが、1878年に再び独立し、真宗出雲路派を結成しました。これにより、毫摂寺は再び独自の宗派としての地位を確立しました。

歴代門主

真宗出雲路派は、親鸞聖人を開祖とし、以下の門主がその教えを継承してきました。

開祖: 親鸞
第2代: 善鸞
第3代: 善入
第4代: 善智
第5代: 善幸
第6代: 善岌
第7代: 善教
第8代: 善鎮
第9代: 善覚
第10代: 善光
第11代: 善秀
第12代: 善照
第13代: 善舜
第14代: 善誉
第15代: 善休
第16代: 善冏
第17代: 善准
第18代: 善栄
第19代: 善祐
第20代: 善雲
第21代: 善静
第22代: 善慶
第23代: 善聴
第24代: 善解
第25代: 善明
第26代: 善志（現門主）

現代における真宗出雲路派

現代においても、真宗出雲路派は毫摂寺を中心に、浄土真宗の教えを広める活動を続けています。地域社会との連携を深めながら、人々の心の拠り所としての役割を果たしています。

参考資料

瓜生津隆真、細川行信『真宗小事典』（新装版）法藏館、2000年。ISBN 4-8318-7067-6。

関連リンク

真宗出雲路派　本山　毫摂寺

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