塩田城

塩田城の歴史

塩田城は、建治3年（1277年）に鎌倉幕府の要職を務めた北条義政が、信濃国塩田荘に館を構えたことに始まります。その後、北条国時、北条俊時と三代にわたり塩田北条氏の居城となりました。しかし、元弘3年（1333年）に鎌倉が新田義貞率いる反幕府勢に攻められると、塩田北条氏も幕府方として鎌倉で戦い、一族とともに滅亡しました。

室町時代に入ると、塩田城は村上氏の支配下となります。戦国時代には、武田信玄の侵攻により一時武田氏の手に落ちますが、上杉謙信の助力を得た村上義清が城を奪還し、再び居城としました。しかし、数ヶ月後には武田氏によって包囲され落城。再び武田氏の勢力下となり、飯富虎昌が城将となりました。

天文22年（1553年）の第一次川中島の戦いでは、武田勢の本陣となり、以降、武田信玄と上杉謙信による川中島の合戦において、武田氏側の重要な出動拠点となりました。武田氏滅亡後は、この地域は真田氏の支配下となりますが、天正11年（1583年）の上田城完成に伴い、塩田城は廃城となったと伝えられています。

塩田城の構造

弘法山全体を城郭とした山城で、中世の山城としては長野県で最大級の規模を誇ります。城の鬼門方向には前山寺が位置しています。

塩田城の遺構

1970年（昭和45年）4月13日に長野県の史跡に指定されました。塩田城主要部への入り口には「塩田城跡」の石碑が建てられています。現在も曲輪や土塁、石垣などの遺構が残っており、当時の面影を伝えています。

1967年（昭和42年）から1977年（昭和52年）にかけて数回にわたる発掘調査が行われ、礎石を持つ建物跡や空堀、敷石、井戸などの遺構、そして多くの遺物が出土しました。出土品は城跡近くの観光施設「塩田の館」で展示されており、塩田城の復元想像図も公開されています。

参考資料

「塩田城 - その歴史と発掘 -」 長野県文化財保護協会 1982年
信濃史学会編 『信州の山城 信濃史学会研究叢書2』 1988年
南原公平 著『信州の城と古戦場』 しなのき書房 2009年

関連項目

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