塩谷正路

塩谷正路について

塩谷正路（しおのや まさみち）は、江戸時代後期に活躍した旗本であり、塩谷義通流塩谷氏の八代目にあたります。彼の人生は、彼の家族や幕府との関係によって形作られました。

生い立ち

塩谷正路は、丹後国の久美浜に生まれました。彼の父、正義は日田の名代官として知られ、久美浜での任期中に正路が生まれました。文化9年に12歳まで久美浜で生活し、その後父親の転任に伴い大坂に移住しました。正路がまだ若い頃、父が日田の代官に任命されることとなり、家族は江戸へ戻ることになります。正路は母と共に江戸で育つことになりました。

幕府仕官の道

正路が正式に幕府に仕官した時期は、元服や婚姻の正確な日時は不明ですが、江戸に戻った頃に元服し、婚姻を結んでいるようです。文政6年に23歳で幕府に仕官、その3ヶ月前には妻を突然失っています。仕官後、11月に小姓組岡部左京組に属し、両番に入ることになりました。この岡部左京は、正路の先祖がかつて治めていた塩谷郡の旗本です。文政8年にはその功績が認められ、小納戸役に任命されました。その際、彼はまだ幼い第12代将軍の四男、政之助に附され、身分も上昇しました。

塩谷氏の家督継承

天保7年9月、父の正義が亡くなると、塩谷氏の家督を受け継ぎました。弘化3年には先祖の菩提寺である長興寺に墓参し、先祖への供養金を寄進するなど、先祖を大切にする姿勢が見られます。その後、嘉永4年には大夫に昇進し、西の丸の小納戸役頭取格になるなど、職位を高めていきました。

安政5年には、徳川家茂に仕官し、またその嫡男でもある正是を小納戸役に任命するといった具合に、家族も共に幕府に貢献することになりました。安政7年には、生涯を通じての功績を讃えられ、呉服を賜わります。また、文久3年には将軍家茂が上洛する際には、嫡子正是がその随行を命じられました。

晩年と死

元治元年に64歳となった正路は、幕府に隠居願を出し、認められました。その際、幕府から黄金2枚や時服を与えられ、家督を嫡男の正是に譲った後、隠居生活を始めます。その後も、幕府が倒れた後も生き続け、明治7年に74歳で亡くなりました。

結論

塩谷正路の生涯は、彼の父や先祖の影響を受けつつ、幕府の中での職務や家族の絆を重視したものでした。彼は幕府に仕官し、多くの成果を挙げ、晩年には家族に家督を譲るなど、歴史に名を残した人物と言えるでしょう。その痕跡は彼の子孫にも受け継がれ、時代の波を乗り越えていったのです。

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