増位山大志郎

増位山 大志郎 (ますいやま だいしろう)

増位山大志郎（1919年11月3日 - 1985年10月21日）は、兵庫県県印南郡大塩町に生まれ、出羽海部屋に所属した大相撲力士です。本名は澤田國秋であり、最高位は東大関です。身長174cm、体重116kgの体格を持ち、得意技には突っ張り、押し、左四つ、内掛けがあります。彼の相撲スタイルは、積極的に攻める姿勢に特徴があり、多くのファンを魅了しました。

来歴

増位山は5代目として、1935年に濵錦の四股名で初めて土俵に上がりました。若い頃からその実力が期待され、幕下時代には当時の横綱・双葉山からも注目を集めていました。特に、彼が双葉山と初めて対戦した1944年の場所では、激戦の末に勝利を収め、その後11勝4敗となる優れた成績を記録しました。

1940年には新十両、1941年には新入幕を果たし、以降は増位山という四股名を名乗るようになります。1944年には関脇に昇進し、1947年には小結として8勝3敗の成績を収め、技能賞を獲得しました。彼の真骨頂は1948年に発揮され、関脇での10勝1敗という圧倒的な成績と共に初優勝を飾り、その後大関に昇進することになります。

大関となった1949年の5月場所では、羽島山との同部屋対決を制し、13勝2敗での優勝を果たします。しかし、この年には肩や肋間神経痛を患い、結局、1949年の10月場所をもって引退を表明しました。引退が決まったものの、増位山は一時引退を思いとどまり、復帰を目指しましたが、最終的には同年の3月に正式に引退となりました。

引退後と指導者としての活動

現役引退後、増位山は年寄・三保ヶ関として後輩の育成に尽力しました。彼の部屋は、当初は弟弟子の増巳山だけでしたが、1960年代に大竜川が十両に昇進してからは、横綱・北の湖や、大関に昇進した息子の2代目増位山、さらに北天佑といった数多くの力士を育てるようになりました。増位山自身が経験した時代を反映しつつ、弟子たちに柔軟な指導を行い、道場訓にも「自由とは規則を忠実に守ることである」という言葉を掲げていました。

また、芸術にも関心を持ち、特に絵画においては1971年から毎年二科展に出品し続けて、連続入選を果たしたことでも知られています。弟子たちにもこの趣味が広がり、増位山や息子の増位山は歌手活動も行うなど、多才な才能を見せました。

最期と影響

1985年に亡くなる直前まで、増位山は若手の指導に力を注ぎ続け、その影響力は大きなものでした。彼が育てた力士たちは、増位山の理念を引き継ぎ、相撲界で活躍しています。増位山の教えや精神は、後進たちに語り継がれ、相撲界の伝統を守り続ける原動力となっています。

主要成績

• - 通算成績：199勝126敗30休
• - 大関成績：27勝20敗11休
• - 幕内優勝：2回
• - 十両優勝：1回

増位山大志郎は、相撲界においてただ勝利を収めただけでなく、その人柄や指導法においても多くの人々に影響を与えた存在であり、今日の相撲界にも多大な足跡を残しています。

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