増山正利

増山 正利の生涯と家系

増山正利（ましやままさとし）は、江戸時代前期の大名であり、三河西尾藩の初代藩主である。彼はまた、長島藩増山家の初代でもある。官位は従五位下・弾正少弼であり、彼の生涯は波乱に満ちていた。

出生と家族背景

彼は青木利長を父に持ち、母は増山氏の紫である。正利は下野国都賀郡高島村、現在の栃木県栃木市大平地域で生まれた。父の青木利長は地元の農民出身であったが、その後江戸に上り、旗本の朝倉家に仕官した。しかし、主君の不正が発覚し、利長は江戸を追われて鹿麻村に監禁されるという運命を辿る。その後彼は禁猟が命じられていた鶴を密かに撃ち、死罪の厳罰を受けることとなった。これが正利の家族に与えた影響は大きかった。

母の紫は、その後古河藩の藩主永井尚政の屋敷に仕官し、女中頭の地位にまで上り詰めた。彼女は元々の家臣である七沢清宗と再婚し、再び家族を築いていく。姉のお蘭は、春日局の目に留まり、大奥に仕えることとなった。お蘭は後に徳川家綱の生母となり、正利もその縁で将軍家に近づくことになった。

大名としての道

寛永20年（1643年）8月3日、正利は3代将軍・徳川家光に謁見し、その後増山姓を名乗ることになる。正保2年12月2日（1646年）には蔵米2,000俵を支給され、さらに正保3年12月晦日（1647年）には従五位下・弾正忠に任ぜられた。正利の功績により、彼は次第に地位を高めていく。

正保4年（1647年）12月5日には相模国高座郡内に新たな知行地1万石を与えられ、この時に蔵米2,000俵は実弟の那須資弥に譲られることとなる。続いて慶安4年（1651年）には奏者番に就任し、万治2年（1659年）に三河西尾への移封が決定する。

この移封によって正利は新たに与えられた2万石を持つ大名としての地位を確立し、奏者番を解任された後は詰衆として仕えることとなる。

最期と遺志

増山正利は寛文2年（1662年）に40歳という若さでこの世を去った。彼の死後、弟の那須資弥の長男である増山正弥が養子として家督を継ぎ、その結果として子孫は伊勢国長島藩の藩主として代々続いていく。

系譜

増山正利の父は青木利長、母は増山氏であり、正室には松平乗寿の娘があたる。子女としては津軽信政の正室となる不卯姫が残されている。彼の家系は多くの出自を持ち、江戸時代を通じてその存在感を示した。特に、姉のお蘭が徳川の家族となったことが、正利の運命を大きく左右したのである。

このように、増山正利は単なる大名にとどまらず、家族の絆や江戸時代の社会における役割を象徴する人物であったことが、彼の生涯から伺える。

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