墨田区の町名

墨田区の町名変遷

この文章では、東京都墨田区における町名の変遷について、明治時代初期から現代に至るまでの歴史を詳細に解説します。墨田区は、かつての本所区と向島区が合併して成立した区であり、それぞれの地区で異なる歴史的背景を持っています。

墨田区の成立と歴史的背景

墨田区は、1947年（昭和22年）に本所区と向島区が合併して誕生しました。本所区は1878年（明治11年）に東京府に設置された15区の一つであり、一方の向島区は1932年（昭和7年）に東京市が周辺の郡の町村を編入した際に成立した20区の一つです。向島区は、南[[葛飾郡]]の隅田町、寺島町、吾嬬町の3町が合併してできた区で、その存続期間は15年と短いものでした。

近世の墨田区

墨田区の地域は、江戸時代には武蔵国葛飾郡に属し、現在の葛飾区西部や江東区とともに西葛西領にありました。本所地区は早くから町地化が進み、町奉行の支配下にありましたが、旧本所区の北部や旧向島区の地域は代官支配地でした。本所地区は、17世紀末には北本所町、南本所町と呼ばれる町場が形成されました。江戸の範囲外であった旧本所区北部から旧向島区にかけては、小梅村、押上村など17の村が存在し、これらの村はそれぞれ飛地を多く持っていました。これらの村の区域は、その後の行政区画変更や荒川放水路の開削により、現在の墨田区のどの地域に該当するかを特定するのが困難になっています。

明治維新以降の行政区画

1868年（慶応4年）に江戸が東京と改称され、東京府が設置されました。この時期、東京府の行政区画は目まぐるしく変化しました。本所地区は東京府に編入され、小梅村など17村も武蔵知県事の管轄を経て東京府に編入されました。1869年（明治2年）には、市街地と周辺の郷村部を分ける朱引が引かれ、本所区と向島区になる地域は、それぞれ44～46番組、地方4・5番組に属しました。1871年（明治4年）には廃藩置県が行われ、東京府の区画は再編され、大区小区制が導入されました。その後、郡区町村編制法の施行により、1878年（明治11年）に15区6郡制が導入され、本所区が設置されました。向島地区の各村は南[[葛飾郡]]に所属しました。

市制町村制以降の変遷

1889年（明治22年）に市制・町村制が施行され、東京市が成立し、本所区は東京市の区となりました。向島地区の旧村は、一部は本所区に編入され、残りは隅田村、寺島村、吾嬬村、大木村の4村に再編されました。これらの村と旧村の対応は複雑です。1932年（昭和7年）に東京市は周辺の町村を編入し、向島区が新設されました。1943年（昭和18年）に東京都が設置され、本所区、向島区を含む35区は東京都直轄の区となりました。1947年（昭和22年）に23区制が導入され、本所区と向島区が合併し、墨田区が誕生しました。

本所区の町名

本所地区は、近世から多くの町が成立し、北本所町、南本所町と総称されていました。明治以降は個別の町名が使用されるようになり、1878年（明治11年）の時点で70以上の町が存在しました。1889年（明治22年）には、南[[葛飾郡]]の村の一部が編入され、1891年（明治24年）に11の町に再編されました。本所区は、関東大震災で甚大な被害を受け、その後の復興区画整理で町名が大幅に変更されました。1960年代には住居表示が実施されましたが、震災復興時の町名がおおむね踏襲されました。

向島地区の町名

向島地区は、市制町村制以降、合併や新設により変遷をたどりました。旧村は、隅田村、寺島村、吾嬬村に再編され、これらの村がそれぞれ町制を施行して、1932年（昭和7年）に向島区となりました。1960年代に住居表示が実施され、現在に至ります。

住居表示実施直前の町名と現行町名の対照

文章中には、本所地区と向島地区の住居表示実施直前の町名と、現行町名の対応表が含まれています。これにより、過去の町名と現在の町名との関連性を確認することができます。

参考資料

この文章を作成するにあたり、『角川日本地名大辞典 東京都』などの資料を参考にしました。


この文章では、墨田区の町名変遷について、詳細な情報を網羅的に提供しました。過去の歴史を理解することで、現在の墨田区の姿をより深く理解することができるでしょう。

もう一度検索