夏田昌和
夏田昌和（なつだ まさかず）は、1968年7月2日生まれの日本の現代音楽作曲家、指揮者です。作曲家・夏田鐘甲を父に持ち、幼少期からピアノを始めました。東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京芸術大学作曲科に進学し、作曲を野田暉行、永冨正之、近藤譲らに師事しました。1991年には同大学を首席で卒業し、卒業作品のオーボエ協奏曲「モルフォジェネシス」が芥川作曲賞にノミネートされ注目を集めました。また、並行して洗足学園大学指揮研究所で秋山和慶らに指揮法を学びました。
1993年、東京芸術大学大学院修士課程を修了後、フランスへ渡りパリ国立高等音楽院作曲科に入学し、ジェラール・グリゼイに作曲を、ジャン＝セバスチャン・ベローに指揮を師事しました。1997年には、同音楽院作曲科を審査員全員一致の首席一等賞を得て卒業し帰国。2002年には「アストレーション」で芥川作曲賞を受賞しました。アンサンブル・アンテルコンタンポランやフランス文化省、サントリー音楽財団などから作品委嘱を受け、作曲活動を続けています。2013年には、指揮者の阿部加奈子と共に日仏現代音楽協会を設立しました。
夏田の作品は、ISCM（横浜）、ザグレブ・ミュージック・ビエンナーレ、メルツ・ムジーク（ベルリン）など、世界各地の音楽祭で紹介されており、オランダ放送交響楽団、ベルリン交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、アンサンブル・アンテルコンタンポランなど、国内外の著名なオーケストラやアンサンブルによって演奏されています。また、クロード・ドゥラングル（サクソフォン）やバリー・ウェッブ（トロンボーン）といった名手たちにも演奏されています。
指揮者としては、アンサンブル・コンテンポラリーαやアンサンブル・ヴィーヴォなどの団体と、数多くの日本人作曲家の新作初演や、海外現代作品の紹介に尽力しました。特に、ジェラール・グリゼイの『Vortex Temporum I~III』やスティーヴ・ライヒの『Tehillim』などの大作の日本初演を手掛けたことは特筆に値します。また、市民オーケストラへの客演も行っています。
夏田の作品は、スペクトル楽派の作曲家であるグリゼイに師事したことから、スペクトル楽派に分類されることもありますが、それとは異なる方法論による作品も多くあります。微分音程の使用は、多くの作品に共通する特徴です。
受賞歴
安宅賞（1989年）
日本音楽コンクール第3位（1991年）
新交響楽団作品公募第1席（1992年）
出光音楽賞（1992年）
ゴッフレード・ペトラッシ国際作曲コンクール審査員特別表彰（1997年）
入野賞入選（1997年）
フンダカオ・オリエンテ国際指揮者コンクール第3位（1998年）
ガウデアムス国際音楽週間入選（1998年）
芥川作曲賞受賞（2002年）
国際[[現代音楽協会]]入選（2000年）
主な作品
管弦楽
Soliton - 室内オーケストラのための (1995)
Megalithic Waves - 室内オーケストラのための (1997)
Astration – in memoriam Gérard Grisey - オーケストラのための (2001)
Tableau avec Ré, Fa, La - 室内オーケストラのための (2002)
Cross-Light - 室内オーケストラのための (2003)
重力波 - オーケストラのための (2004)
Danse de la Mante Religieuse - オーケストラのための (2011)
協奏曲
Morphogenesis - オーボエとオーケストラのための (1991)
The String of Life - ヴァイオリンとオーケストラのための (1993)
アンサンブル
Rapprochement - フルート、オーボエ、2ヴァイオリン、2ヴィオラ、ピアノのための (1991)
Divergence - フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための (1994)
Trois Dessins - トロンボーン、ハープ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、打楽器のための (1995)
Motet de l'aube, hommage à Guillaume de Machaut - バス・クラリネット、コントラファゴット、3ヴァイオリン、打楽器のための (1998)
Gallop - フルート、ピアノ (1996)、 フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための (1999)
Falling - フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノのための (2002)
Music for keyboard instruments - 6人の鍵盤打楽器奏者と2台ピアノのための (2006)
Layered Song from Long Ago - 2クラリネット、ヴィオラ、チェロ、ヴィブラフォンのための (2008)
Convergence - 13人の器楽奏者のための (2010)
Octet - 吹奏楽器とパーカッションのための (2011)
室内楽
Quatre Prismes dans l'Espace - 12のトランペット奏者と3人の打楽器奏者のための (1991)
Sous un ciel étoilé, près de l'eau - 2台のヴァイオリン、ピアノ、2人の打楽器のための (1992)
West, or Evening Song in Autumn - ソプラノサックスと打楽器のための (1996)
Gameraphony - 2台のエレクトーンのための (1998)
Scherzo pour Trio Trichronochrome - ホルン、ヴァイオリン、ピアノのための (1999)
Rencontre - フルート、ヴァイオリン、打楽器のための (2000)
Equatorial Song - フルート、プリペアード・ピアノのための (2000)
良寛による二つの詩 - メゾソプラノ、サックス、打楽器のための (2005)
Inégal - ヴィブラフォンとチェンバロのための (2006)
Perpetuum mobile (in a Zigzag) - ヴィブラフォンとチェンバロのための (2008)
Wooden Music - 9人の打楽器奏者のための (2008)
独奏曲
Parcours entre Vitraux et Absidioles - オルガンのための (1993)
Electro-Spiral,‘The Ladder of Life’ - 電子オルガンのための (1993)
Flux et Reflux - ピアノのための (1994)
Flots, ‘Dan-no-ura’ - ピアノのための (1997)
Les chants préhistoriques I - ヴァイオリンのための (1999)
Les chants préhistoriques II - ヴァイオリンのための (2000)
Stumbling Drums in Savanna - 打楽器のための (2001)
Gamelaphony II - ピアノのための (2009)
声楽曲
良寛による二つの詩 - メゾソプラノ、サックス、打楽器のための (2005)
良寛による二つの詩 - ソプラノ、クラリネット、打楽器のための (2006) 2005年作品の編曲
ノヴァリスの詩によるコラール - 12声部のための (2006)
邦楽
啓蟄の音 - 二十絃箏ソロと四面の箏のための (2010)
舞台
Music for Noh “Hakata-Yamakasa” - 能楽と室内オーケストラのための (2005)
夏田は、作曲家・望月京とは、青山学院中等部、東京藝術大学附属高校、東京藝術大学、大学院を通じての同級生であり、パリ国立高等音楽院への留学時期もほぼ重なっています。また、留学先のパリ音楽院では、同じく同級生であったブルーノ・マントヴァーニを抑えて首席卒業を果たしました。
出版・録音
BIS-CD-1630 Japanese Love Songs (作曲)
NAXOS BIS-CD-890 夏田昌和／野平一郎／細川俊夫：サクソフォン作品集 (作曲)
ROSCO RACOONDOG (作曲)
ナミ・レコード 小林武史 野平一郎~ ヴァイオリン名演集~ (指揮)
南聡 作品集「昼」 (指揮)
Les chants préhistoriques 〜 les œuvres de Masakazu Natsuda 〜 先史時代の歌 夏田昌和作品集 (作曲)
楽譜
West or Evening Song in Autumn pour Saxophone Soprano et Percussions: Editions Henry Lemoine
教え子
尾西秀勝
山本哲也
松宮圭太
松本直祐樹
挾間美帆
* 佐原詩音
1993年、東京芸術大学大学院修士課程を修了後、フランスへ渡りパリ国立高等音楽院作曲科に入学し、ジェラール・グリゼイに作曲を、ジャン＝セバスチャン・ベローに指揮を師事しました。1997年には、同音楽院作曲科を審査員全員一致の首席一等賞を得て卒業し帰国。2002年には「アストレーション」で芥川作曲賞を受賞しました。アンサンブル・アンテルコンタンポランやフランス文化省、サントリー音楽財団などから作品委嘱を受け、作曲活動を続けています。2013年には、指揮者の阿部加奈子と共に日仏現代音楽協会を設立しました。
夏田の作品は、ISCM（横浜）、ザグレブ・ミュージック・ビエンナーレ、メルツ・ムジーク（ベルリン）など、世界各地の音楽祭で紹介されており、オランダ放送交響楽団、ベルリン交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、アンサンブル・アンテルコンタンポランなど、国内外の著名なオーケストラやアンサンブルによって演奏されています。また、クロード・ドゥラングル（サクソフォン）やバリー・ウェッブ（トロンボーン）といった名手たちにも演奏されています。
指揮者としては、アンサンブル・コンテンポラリーαやアンサンブル・ヴィーヴォなどの団体と、数多くの日本人作曲家の新作初演や、海外現代作品の紹介に尽力しました。特に、ジェラール・グリゼイの『Vortex Temporum I~III』やスティーヴ・ライヒの『Tehillim』などの大作の日本初演を手掛けたことは特筆に値します。また、市民オーケストラへの客演も行っています。
夏田の作品は、スペクトル楽派の作曲家であるグリゼイに師事したことから、スペクトル楽派に分類されることもありますが、それとは異なる方法論による作品も多くあります。微分音程の使用は、多くの作品に共通する特徴です。
受賞歴
安宅賞（1989年）
日本音楽コンクール第3位（1991年）
新交響楽団作品公募第1席（1992年）
出光音楽賞（1992年）
ゴッフレード・ペトラッシ国際作曲コンクール審査員特別表彰（1997年）
入野賞入選（1997年）
フンダカオ・オリエンテ国際指揮者コンクール第3位（1998年）
ガウデアムス国際音楽週間入選（1998年）
芥川作曲賞受賞（2002年）
国際[[現代音楽協会]]入選（2000年）
主な作品
管弦楽
Soliton - 室内オーケストラのための (1995)
Megalithic Waves - 室内オーケストラのための (1997)
Astration – in memoriam Gérard Grisey - オーケストラのための (2001)
Tableau avec Ré, Fa, La - 室内オーケストラのための (2002)
Cross-Light - 室内オーケストラのための (2003)
重力波 - オーケストラのための (2004)
Danse de la Mante Religieuse - オーケストラのための (2011)
協奏曲
Morphogenesis - オーボエとオーケストラのための (1991)
The String of Life - ヴァイオリンとオーケストラのための (1993)
アンサンブル
Rapprochement - フルート、オーボエ、2ヴァイオリン、2ヴィオラ、ピアノのための (1991)
Divergence - フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための (1994)
Trois Dessins - トロンボーン、ハープ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、打楽器のための (1995)
Motet de l'aube, hommage à Guillaume de Machaut - バス・クラリネット、コントラファゴット、3ヴァイオリン、打楽器のための (1998)
Gallop - フルート、ピアノ (1996)、 フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための (1999)
Falling - フルート、クラリネット、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノのための (2002)
Music for keyboard instruments - 6人の鍵盤打楽器奏者と2台ピアノのための (2006)
Layered Song from Long Ago - 2クラリネット、ヴィオラ、チェロ、ヴィブラフォンのための (2008)
Convergence - 13人の器楽奏者のための (2010)
Octet - 吹奏楽器とパーカッションのための (2011)
室内楽
Quatre Prismes dans l'Espace - 12のトランペット奏者と3人の打楽器奏者のための (1991)
Sous un ciel étoilé, près de l'eau - 2台のヴァイオリン、ピアノ、2人の打楽器のための (1992)
West, or Evening Song in Autumn - ソプラノサックスと打楽器のための (1996)
Gameraphony - 2台のエレクトーンのための (1998)
Scherzo pour Trio Trichronochrome - ホルン、ヴァイオリン、ピアノのための (1999)
Rencontre - フルート、ヴァイオリン、打楽器のための (2000)
Equatorial Song - フルート、プリペアード・ピアノのための (2000)
良寛による二つの詩 - メゾソプラノ、サックス、打楽器のための (2005)
Inégal - ヴィブラフォンとチェンバロのための (2006)
Perpetuum mobile (in a Zigzag) - ヴィブラフォンとチェンバロのための (2008)
Wooden Music - 9人の打楽器奏者のための (2008)
独奏曲
Parcours entre Vitraux et Absidioles - オルガンのための (1993)
Electro-Spiral,‘The Ladder of Life’ - 電子オルガンのための (1993)
Flux et Reflux - ピアノのための (1994)
Flots, ‘Dan-no-ura’ - ピアノのための (1997)
Les chants préhistoriques I - ヴァイオリンのための (1999)
Les chants préhistoriques II - ヴァイオリンのための (2000)
Stumbling Drums in Savanna - 打楽器のための (2001)
Gamelaphony II - ピアノのための (2009)
声楽曲
良寛による二つの詩 - メゾソプラノ、サックス、打楽器のための (2005)
良寛による二つの詩 - ソプラノ、クラリネット、打楽器のための (2006) 2005年作品の編曲
ノヴァリスの詩によるコラール - 12声部のための (2006)
邦楽
啓蟄の音 - 二十絃箏ソロと四面の箏のための (2010)
舞台
Music for Noh “Hakata-Yamakasa” - 能楽と室内オーケストラのための (2005)
夏田は、作曲家・望月京とは、青山学院中等部、東京藝術大学附属高校、東京藝術大学、大学院を通じての同級生であり、パリ国立高等音楽院への留学時期もほぼ重なっています。また、留学先のパリ音楽院では、同じく同級生であったブルーノ・マントヴァーニを抑えて首席卒業を果たしました。
出版・録音
BIS-CD-1630 Japanese Love Songs (作曲)
NAXOS BIS-CD-890 夏田昌和／野平一郎／細川俊夫：サクソフォン作品集 (作曲)
ROSCO RACOONDOG (作曲)
ナミ・レコード 小林武史 野平一郎~ ヴァイオリン名演集~ (指揮)
南聡 作品集「昼」 (指揮)
Les chants préhistoriques 〜 les œuvres de Masakazu Natsuda 〜 先史時代の歌 夏田昌和作品集 (作曲)
楽譜
West or Evening Song in Autumn pour Saxophone Soprano et Percussions: Editions Henry Lemoine
教え子
尾西秀勝
山本哲也
松宮圭太
松本直祐樹
挾間美帆
* 佐原詩音
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