多岐原神社

多岐原神社の紹介

多岐原神社（たきはらじんじゃ）は、三重県度会郡大紀町三瀬川に位置する、伊勢神宮の内宮の摂社です。この神社は倭姫命との関わりが深く、土地の神が彼女を助けたことから、祀ることが定められました。宮川の美しいせせらぎに囲まれた境内は、訪れる者に落ち着きと平和を与えます。

地理的な特徴

多岐原神社は、内宮の別宮である瀧原宮から宮川を遡り約6キロの地点に位置しています。この神社は内宮の27の摂社の中で27位に位置づけられています。通常、伊勢神宮の摂社や末社には賽銭箱が設置されていないのですが、多岐原神社には賽銭箱が設けられています。社殿は南向きに建てられており、神明造の伝統的な様式が採用されています。また、玉垣によって囲まれ、神明鳥居一基が境内に立っています。

祭神とその由来

祭神には真奈胡神（まなごのかみ）が祀られており、伝説によれば倭姫命が急流を渡ろうとして苦しんでいた時、真奈胡神が彼女を助けたとされています。このため、真奈胡神は特別な存在とされており、地域の住民からは「まなごさん」と親しまれています。社名の由来については、『皇太神宮儀式帳』では「瀧原」と記されてきた一方、他の文献では「多伎原」や「多紀原」などとも表記されており、最終的に「多岐原」に統一されました。

歴史的背景

多岐原神社の歴史は古く、伊勢神宮の摂社として「延喜式神名帳」に記載されていることから、927年以前には創建されていたとされています。特に、倭姫命の伝説は、この神社の成立の背景として重要です。過去には再興されており、寛文3年には大宮司によって社地の再興が行われました。これに伴い、社地が荒廃していた時期を経て、再び地域住民の信仰の場とされるようになりました。

祭祀とイベント

この神社では、毎年定期的にいくつかの祭祀が行われています。例えば、祈年祭（2月19日）、月次祭（6月22日・12月22日）、神嘗祭（10月22日）などが、境内で奉仕されています。また、地元の氏神が合祀されてしまったため、おこもりや餅投げなどが新たに多岐原神社で行われるようになった事例もあります。

アクセス

公共交通機関を利用する場合、最寄りのJR紀勢本線三瀬谷駅から多岐原神社までは3.6キロの距離があり、歩いて約1時間8分かかります。また、自家用車を利用する場合は、紀勢自動車道の大宮大台ICから多岐原神社までは約4分（3.4キロ）です。神社の周囲には案内板があり、訪れる人々の誘導が行われています。

多岐原神社は、倭姫命の伝説を通じて地域に深く根付いた神社であり、その静寂な環境とともに多くの人々を魅了し続けています。訪れる際は、境内の自然に触れながら神秘的な雰囲気を感じることができるでしょう。

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