夜を往け

中島みゆき『夜を往け』

『夜を往け』は、1990年6月13日に発表された中島みゆきの18作目のオリジナルアルバムです。キャッチコピーは「どこかで、だれかが、頑張っている。」。

解説

アルバムのテーマはタイトル通り「夜」であり、「夜はみゆきにおまかせください」というコンセプトで制作されました。前作『回帰熱』がセルフカバーアルバムだったため、オリジナル楽曲をメインとしたアルバムとしては、1988年発売の『グッバイガール』以来、約1年7ヶ月ぶりのリリースとなりました。

ミックスダウンとマスタリングは、イギリス・オックスフォードにあるスタジオ『The Manor』で行われ、ザ・ザやディーコン・ブルーなどの作品を手がけたフィリックス・ケンドールがエンジニアを担当しました。

アルバム収録曲の「あした」は、シングルとは異なるアルバムバージョンで収録されています。また、このアルバムと同名のコンサートツアーも開催されました。

CDショップやイベンター向けに、中島みゆきのメッセージが書かれたフライヤーが配布されました。

再発盤

ポニーキャニオンから発売されたオリジナル盤は廃盤となっていますが、通信販売限定のCDボックスセットで現在も入手可能です。現行盤は2018年にヤマハミュージックコミュニケーションズから発売されたデジタルリマスタリング盤です。また、2013年には、トム・ベイカーによるデジタルリマスタリングが施されたクリスタルディスク版も発売されました。

収録曲

1. 夜を往け
2. ふたつの炎
3. 3分後に捨ててもいい
4. あした
5. 新曾根崎心中
6. 君の昔を
7. 遠雷
8. ふたりは
9. 北の国の習い
10. with

楽曲解説

夜を往け: プロモーションビデオが存在し、PV集『A FILM of Nakajima Miyuki』に収録されています。関西テレビ制作のサスペンスドラマシリーズの主題歌にも使用されました。
ふたつの炎: プロモーションビデオが存在します（発売時ショップ用に作られたPV集に収録）。
3分後に捨ててもいい: カップラーメンのふたをテーマにした曲として知られています。中島みゆき本人はレコーディング時、冗談のつもりで「カップラーメンのふたの歌」と言ったところ、信じた人がいたと語っています。
あした: 先行シングル。アルバムバージョンとして収録。KDD（現KDDI）のCMソングに使用されました。
ふたりは: 1995年発売のアルバム『10 WINGS』には、元ツイストの世良公則とのデュエットバージョンが収録されています。
北の国の習い: 中島みゆき曰く、北海道観光案内ソングであり、「冬に北海道に来る人は雪に気をつけてください」というメッセージが込められています。
with: 「北の国の習い」からクロスフェードで始まります。映画『息子』（山田洋次監督）のイメージソングとして、後にシングルカットされました。

演奏者

Vocals：中島みゆき
Drums：青山純, 山木秀夫, 長谷部徹
Bass：美久月千晴, 富倉安生, 松原秀樹
Keyboards：倉田信雄, 中西康晴, 国吉良一, 瀬尾一三
E.Guitar：今剛, 松原正樹, 土方隆行
A.Guitar：吉川忠英, 笛吹利明, 今剛
Saxophones：古村敏比古, Mel Collins
Backup Vocals：杉本和世, 坪倉唯子, 瀬尾一三
Programmer：浦田恵司, 倉田信雄, 瀬尾一三

アルバム『夜を往け』は、中島みゆきの音楽世界を深く堪能できる作品です。

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