大伴古慈斐

大伴古慈斐の生涯と業績

大伴古慈斐（おおとも の こしび、695年 - 777年）は、奈良時代の重要な公卿であり、多くの官位を歴任した人物です。彼の名前は、古慈備、祜信備、祜志備とも表記され、越前按察使・大伴祖父麻呂の子として知られています。官位は従三位、大和守といった高い地位に昇進しました。

経歴と昇進

彼は最初、大学大允に任官し、その後、天平9年（737年）には外従五位下に昇格しました。この年から古慈斐は、内位においても昇進し続け、特に天平11年（739年）には従五位下に叙されると、その後も聖武天皇の東国行幸に従い、様々な役職を歴任します。特に天平12年（740年）には、頓宮で従五位上に叙されるなど、昇進は順調でした。

天平19年（747年）には従四位下、天平勝宝元年（749年）には従四位上に昇進し、衛門督としての役割も果たしました。しかし、彼のキャリアは常に順風満帆ではありませんでした。孝謙朝に入ると、状況が一変し、出雲守に左遷されることとなります。

政治的な波乱

大伴古慈斐は、聖武天皇の崩御後の天平勝宝8年（756年）に藤原仲麻呂による誣告を受け、内豎に拘禁される事態に陥ります。この事件は、彼に対する評価を大きく揺るがし、最終的には土佐守に遷され、その地に流罪となる運命となりました。彼の政治生命はこの時点で大きく後退しましたが、徐々に復権の機会を得ることになります。

宝亀元年（770年）には光仁天皇の即位を受けて罪を赦され、従四位上に復位し、大和守としての任務を再び果たします。宝亀2年（771年）には大嘗祭の役割を務めるなどして、正四位下に昇叙されました。さらには、宝亀6年（775年）には老臣として従三位に叙され、公卿の仲間入りを果たしました。彼の最晩年は公卿としての地位を固めつつ、奈良時代の動乱を生き抜いた姿を見せています。

除かれる運命と歴史的評価

古慈斐の生涯は波乱に満ちたものであり、特に昇進と転落が彼の政治生活において繰り返される姿が特徴的です。彼は進取の精神を持ちながらも、政治的な風向きによってその道が障害に包まれてしまうこともありました。彼の最終的な官位は大和守従三位であり、長い生涯を送りましたが、777年8月19日に83歳でこの世を去りました。

人物像

若い頃からその才能を発揮し、多くの記録に通じていた彼は、藤原不比等の眼に留まり、彼の娘を伴侶として得たと言われています。これは彼の政界での支持をさらに強固なものとしたことでしょう。古慈斐は、学問や文化の振興にも寄与したと考えられ、奈良時代の中でも特異な存在として後の世に名を残しました。

成年期の系譜と家庭

大伴古慈斐は父である大伴祖父麻呂の血を引き、妻は藤原殿刀自であり、彼女は藤原不比等の娘とされています。子には大伴弟麻呂やその他の子女が存在し、彼の血統はその後の政治的な展開に影響を与えた可能性があります。

彼の業績や生涯は、日本の歴史における一つの大きな足跡として多くの人々に刻まれています。大伴古慈斐の人生を通して、彼がどのように奈良時代の政治と文化に関与したかを知ることができます。

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