大伴犬養

大伴犬養について

大伴犬養（おおとも の いぬかい）は、奈良時代に活躍した貴族であり、その名は犬甘とも表記される。彼は宿禰姓の持ち主で、従四位下および右大弁という官位を有していた。

出自について

犬養の父母については詳細が不明であり、彼の家系を特定する資料は残っていない。しかし、犬養には藤原仲麻呂室という娘がいる。仲麻呂は当時の権力者として知られているが、彼と大伴氏の嫡流を代表する家持との関係はあまり良好ではなかったため、大伴犬養と本宗家との間には若干の距離が存在した可能性がある。これにより、犬養の出自がどのような立場にあったかを考慮する必要がある。

経歴概要

犬養は、播磨少掾という位階を最初に持ち、その後、式部大丞への任命を受ける。その後、天平12年（740年）の初めには正六位上から外従五位下に昇叙され、同時に遣渤海大使にも選ばれた。この任命は前年の遣使に応じたものであり、彼は前年の渤海使が帰国して以降、正式にこの役割を担った。

彼はその後も幾度となく地方官を歴任することになる。特に、天平18年（746年）には従五位下、翌年の747年には少納言の位を得た。この時期、天平勝宝元年（749年）には、孝謙天皇の即位に伴い、従五位上に昇叙された。

地方官としての活動

犬養は天平勝宝の期間中、山背守、播磨守、美濃守などの地方官職を歴任し、その影響力を強めていった。特に757年には正五位下に至り、758年には淳仁天皇の即位直後に右衛士督として任じられた。この間、大伴宿禰という名前が播磨国守に現れ、その業績が記録されているが、これは犬養に関するものと考えられている。

犬養は天平宝字3年（758年）には従四位下、次いで右大弁に叙任され、淳仁朝においては重要な職務を担当することとなった。彼のキャリアはその後も続き、彼は当時の政治において欠かせない存在であったことが伺える。

晩年とその後

犬養は天平宝字6年（762年）に亡くなり、その時の官位は讃岐守従四位下であった。2年後には藤原仲麻呂の乱が発生し、彼の娘もその混乱に巻き込まれて命を落としたと考えられている。犬養の死後、彼の家族や関係者にも大きな影響が及んだことであろう。

まとめ

大伴犬養は奈良時代において重要な役割を果たした貴族であり、彼の生涯や経歴は当時の政治の変遷を物語るものである。彼の出自や家族関係も含め、彼のエピソードを知ることで、奈良時代のダイナミックな社会の一端を理解することができる。

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