大伴稲公

大伴稲公について



大伴稲公（おおとも の いなきみ）は、奈良時代に活躍した貴族であり、豊かな文化の中で様々な役職を歴任しました。彼の父は大納言の大伴安麻呂で、母は石川内命婦です。稲公は、多くの官職を歴任し、特に和歌を通じてその名を残しています。

経歴



稲公の人生の最初の重要な出来事は、天平2年（730年）に兄の大宰帥である大伴旅人が病気にかかった際、見舞いのために大宰府に向かったことです。このとき、彼は右兵庫助の官職を持ち、大伴古麻呂と共に旅をしました。彼の留めた和歌は大伴家持に追い和歌されたことからも、彼の詩才が伺えます。

その後の天平13年（741年）、稲公は因幡守に就任し、従五位下に昇進しました。さらに、天平15年（743年）には従五位上、そして天平勝宝元年（749年）には正五位下及び兵部大輔に任命され、多くの重要な役職を担っていきました。天平勝宝6年（754年）には上総守に叙任され、ますますその地位を確立していくことになります。

特に注目すべきは、天平勝宝9年（757年）に正五位上に叙せられた後、橘奈良麻呂の乱の鎮圧に成功し、同年の8月には従四位下に昇叙されたことです。この功績は、彼の政治的な影響力を証明するものでした。

翌年の天平宝字2年（758年）、稲公は大和守を任されていたとき、同国の城下郡で特別な16文字の瑞字を発見します。これが藤原仲麻呂の執政に関連して神意に適うものであると解釈されたことからも、彼がいかに高い神秘的な力を持っていたかが窺えます。

官歴



大伴稲公の官職に関する記録は、以下のように整理されています。これらの記録は、『続日本紀』によるものです。


系譜



稲公の家系については、父が大伴安麻呂、母が石川内命婦であったことが知られています。彼の家系は、奈良時代の貴族において大きな影響を持っていました。

参考文献



大伴稲公は、和歌を通じての文化的貢献や官職の歴史的な役割を通じて、多くの人々に記憶される存在です。彼の業績は、まさに奈良時代の貴族文化の一部を形成するものでした。

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