大和証券杯ネット囲碁オープン

大和証券杯ネット囲碁オープン：ネットが生んだ早碁の舞台

大和証券杯ネット囲碁オープンは、2006年から2013年まで開催された囲碁の棋戦です。日本棋院が主催し、大和証券グループが協賛していました。本棋戦は、ネット対局場「幽玄の間」を舞台とし、棋士が自宅や所属する本部から対局を行うという、新しいスタイルが特徴でした。本記事では、ネット囲碁オープンに加え、2007年から2010年まで開催された大和証券杯ネット囲碁レディース、2008年から2011年まで開催された大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦についても解説します。

概要

いずれの棋戦も創設当初は非公式棋戦でしたが、オープンの第8回は公式棋戦として開催されました。決勝戦では大盤解説などのイベントが行われ、多くの囲碁ファンが熱戦を見守りました。持ち時間が30分以下、もしくはNHK杯方式（持ち時間なし、30秒の秒読みと1分の考慮時間10回）に設定されている早碁棋戦であり、スピーディーな展開が魅力でした。コミは6目半。

2011年には、東日本大震災の影響により、第5回レディースと第5回グランドチャンピオン戦は開催が見送られ、オープンのみが開催されました。また、第4回グランドチャンピオン戦は決勝戦こそ行われたものの、大盤解説会は中止となりました。

大会の仕組み

大和証券杯ネット囲碁オープン

2006年から2013年まで開催。第7回までは日本棋院所属棋士のみが出場できました。賞金は、第1回が優勝150万円、準優勝50万円、ベスト4敗退15万円。第2回から第6回は優勝300万円、準優勝100万円、ベスト4敗退50万円。第7回と第8回は優勝500万円、準優勝200万円、ベスト4敗退75万円でした。

大会方式は回によって異なり、八大棋戦（七大棋戦と富士通杯）のタイトル保持者や前年の八大棋戦賞金ランキング上位者、幽玄の間プロ棋士ランキング戦の上位者に出場資格が与えられました。タイトル保持者は本戦シードとなり、本戦リーグを勝ち上がった棋士を含めた決勝トーナメントで優勝者を決定しました。持ち時間は、本戦リーグが5分＋30秒の秒読み5回、決勝トーナメントが5分＋30秒の秒読み10回という形式でした。

第4回では、予選が市ヶ谷本院で碁盤を用いて行われたのが特徴的でした。第7回では、予選トーナメントの出場枠が大幅に拡大され、第4回レディースのベスト4の棋士や女流タイトルの保持者、第4回アマチュア選手権覇王戦の優勝者にも出場枠が与えられました。第8回は公式棋戦として開催され、関西棋院所属棋士にも出場枠が設けられました。

大和証券杯ネット囲碁レディース

2007年から2010年まで開催された非公式の女流棋戦です。持ち時間は全対局NHK杯方式で行われ、対局場所などの規定はオープンに準じていました。賞金は優勝100万円、準優勝50万円、ベスト4敗退20万円でした。

女流タイトルの保持者と前回ベスト4以上の棋士（第2回以降）はシードされ、前年の八大棋戦賞金ランキング上位者に予選の出場権が与えられ、一番勝負での予選が行われました。一番勝負で勝利した棋士とシード棋士でトーナメントを行い、優勝者を決定しました。

大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦

2008年から2011年まで開催された非公式棋戦です。過去大会の成績優秀者によるトーナメントとして行われました。持ち時間は全対局NHK杯方式。決勝戦以外は所属する本院で操作を行いました。賞金は優勝400万円、準優勝150万円、ベスト4敗退75万円でした。

出場資格は、過去のオープン各回ベスト4、レディース上位2名、アマ選手権覇王戦の優勝者などに与えられました。

大和証券杯ネット囲碁アマチュア選手権

幽玄の間の有料会員を対象としたアマチュア棋戦も開催されました。棋力別に25のクラスが設けられ、その中でトーナメントを行い優勝者を決定しました。最高クラスの優勝者には「覇王」の称号が授けられ、オープンやグランドチャンピオン戦への出場権が与えられました。

歴代優勝者

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