河野臨

河野臨（こうの りん）

1981年1月7日生まれ、東京都西東京市出身の囲碁棋士。九段。小林光一名誉三冠門下。

棋歴

父親に囲碁を教わり、幼少期からその才能を発揮。仁風会、小林光一研究会で腕を磨き、1996年に入段。順調に昇段を重ね、2005年には山下敬吾天元を破り、初のビッグタイトルとなる天元位を獲得。これを機に八段へ昇段。翌年には天元位を防衛し、九段へと昇段。

2007年には天元三連覇を達成。その後もNECカップ囲碁トーナメント戦、竜星戦などで優勝を重ねる。2014年には名人戦挑戦者となるも、井山裕太名人に敗れタイトル獲得はならず。しかし、賞金ランキングでは自己最高の2位となるなど、常にトップ棋士として活躍。

井山裕太の高い壁に阻まれ、棋聖位・名人位・本因坊位・碁聖位への挑戦は実を結ばなかった。

タイトル

天元 3期（第31～33期）
NECカップ囲碁トーナメント戦 2期
竜星 2期
JAL新鋭早碁 1回

棋風

冷静かつ正確なヨミを武器とする棋士。かつてはヨセに強い棋風として知られていたが、近年は戦闘力も向上。三村智保は、河野の棋風を「形勢が悪くなっても無理な手は選ばず常に本手で対応し、正確なヨミと計算で地合を詰めていく」と評している。

人物

平成四天王と並び称される実力者であり、「第五の男」と呼ばれることもあった。研究熱心なことでも知られ、張栩からは「日本で一番勉強しているのではないか」と評されている。

日本棋院の賞金ランキングでは、2005年から2021年まで17年連続でトップ10入りを果たしている。

近年、日本棋士が世界棋戦で苦戦する中、孤軍奮闘する姿が印象的である。プライベートでは、2023年に同じく囲碁棋士である奥田あやと結婚した。

得意布石「臨戦中国流」

布石研究にも熱心であり、中国流から一路ずらした独自の布石を多用。「臨戦中国流」と呼ばれることもある。この布石について解説した著書も出版している。

著書

「スモール中国流布石 徹底ガイド｣（マイコミ囲碁ブックス）
「序盤の手筋 すぐに役立つ新常識｣（マイコミ囲碁ブックス）
「攻め合い力養成トレーニング」（マイコミ囲碁ブックス）
「基礎から始める 河野臨の詰碁｣ (囲碁人ブックス)

まとめ

河野臨は、その実力と人柄で多くのファンを魅了するトップ棋士である。今後の活躍にも期待が高まる。

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