大多和就重

大多和 就重の生涯

大多和就重（おおたわ なりしげ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、毛利氏の家臣でした。彼は毛利水軍の一員として、その治世における多くの戦闘に参加し、数々の戦功を上げました。その出自は明らかではありませんが、安芸国賀茂郡中河内を本拠地とする大多和氏に生まれ、毛利元就、隆元、輝元の三代に仕えました。

初期の戦歴

就重は、天文21年（1552年）12月28日に毛利元就から「就」の偏諱を受けて名前を「就重」としました。天文23年（1554年）6月5日には、折敷畑の戦いにおいて陶晴賢軍を打破し、その手柄により元就と隆元から感状を賜りました。続いて約束された年貢や土地を受け取ることで、就重はその名声を高めていきました。

特に、天文24年（1555年）の戦闘においては、陶軍の動きを察知し、厳島への情報通達を成功させ、元就と隆元に称賛されるなど、その才能を発揮しました。さらに同年には、活躍が認められ官途名「宗兵衛尉」や土地の授与も受け、毛利水軍の中での地位を毎年確立していきました。

戦闘での功績

永禄4年（1561年）の門司城の戦いでは、一番槍として名を馳せ、再び元就からの感状を受けました。その後も、尼子軍との戦闘でも勇猛さを見せ、敵を討ち取るなど、その存在感を強く示しました。特に秀でた戦術家としての一面もあり、出雲国での兵糧船の迎撃においては、圧倒的な戦力を発揮し、数々の戦果を上げることに成功します。

石山合戦と晩年

天正年間（1573年-1592年）の石山合戦では、毛利水軍の将として、毛利氏の命を受けて大坂へ出陣。この戦闘でも活躍し、石山本願寺の防衛に寄与しました。特に、長期にわたる籠城生活は就重にとって非常に厳しいものでしたが、毛利氏からの信任を受け続け、様々な地を授与されました。彼自身も長年の戦陣を経て、毛利家からの期待に応える武将として存在感を増していきました。

晩年には、輝元からの信任を受け、何度も呼び出される機会があり、他国での任務もこなしました。最終的には天正15年（1587年）にその生涯を閉じましたが、彼の息子である元直が家督を継承することで、大多和氏の名はその後も続いていきます。

まとめ

大多和就重は、戦国時代の中での強力な武将としての存在感を示し、毛利水軍の戦略的な一翼を担った人物でした。彼の生涯は、戦闘に対する献身と忠誠に満ち、その影響は後世に渡って語り継がれることになりました。

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