大山綱道

大山綱道

大山綱道（おおやま つなみち）は、江戸時代後期に薩摩藩に仕えた人物です。佐々木源氏大山家の分家当主として、島津斉宣から島津斉興の初期にかけて側用人という要職を務めました。また、側用人として藩政に携わる傍ら、百引郷（現在の鹿児島県鹿屋市輝北町）と串木野郷（現在の鹿児島県いちき串木野市）の地頭も兼任しました。大山巌は彼の曾孫にあたります。

経歴

大山綱道は、大山綱栄の子として生まれました。当初は隠居していた島津継豊の御側小姓として仕え、宝暦5年（1755年）に島津重豪が藩主となると、江戸幕府から派遣された国目付に提出された薩摩藩分限帳にも、側小姓としてその名が記されています。その後、御徒目付、島津重豪の御小納戸頭取と昇進を重ね、家格も一代小番に昇格しました。安永2年（1773年）から安永4年（1775年）にかけては、徳之島代官を務め、当時は休左衛門と名乗っていました。

百引郷の地頭職に就いたことで、家格は代々小番に昇格したと考えられています。後に串木野郷の地頭も兼務しましたが、当時の地頭は藩の重役が兼任することが多く、実際に任地へ赴くことはほとんどなく、城下で生活を送っていました。串木野郷地頭時代の本職は御側御用人でした。文化5年（1808年）に近思録崩れが起こりましたが、綱道はこれに関与していなかったようです。ただし、「文化朋党実録」には「大山宗之丞」の名で3回登場し、造士館に家老の鎌田典膳や樺山久言、藩主斉宣に付き従って来館した記録が残っています。

年譜

寛延元年（1748年）6月1日、藩主島津宗信に初めてお目見えしました。
宝暦6年（1756年）10月、薩摩藩分限帳に「側小姓 大山休左衛門」として記載されました。当時は部屋住まいで無禄であり、父の大山綱栄（同史料では大山文左衛門と記載）が存命で、まだ家督を継いでいませんでした。
宝暦10年（1760年）9月20日、島津継豊が死去しました。
安永2年（1773年）から安永4年（1775年）まで、徳之島代官を務めました。当時の通称は休左衛門でした。
寛政7年（1795年）、百引郷の地頭職に就きました。この頃には、通称を宗之丞と称していました。
寛政8年（1796年）、琉球王国尚温王の謝恩使を二階堂行智が引率する際、側役としてこれに同行しました。この時の同行者には、用人の梅田盛香や使番の伊東仙大夫がいました。
享和元年（1801年）からは、串木野郷の地頭職に就任しました。
文化12年（1815年）、串木野郷の地頭を辞任しました。長年の功績により、恩賞を賜ったと伝えられています。
文政3年（1820年）9月18日に死去しました。

家族・親族

父：大山綱栄
子女：二男一女（大山綱方、於幾代、大山綱毅）

参考文献

原口虎雄監修『薩州嶋津家分限帳』（青潮社鹿児島県立図書館蔵）
尾野実信『元帥公爵 大山巌』（鹿児島県立図書館蔵）
『輝北町郷土誌』（鹿児島県立図書館蔵）
『串木野市郷土史』（鹿児島県立図書館蔵）
『諸郷地頭系図』
* 『薩藩政要録』

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