大峰城

大峰城（おおみねじょう）

大峰城は、長野県長野市に位置するかつての日本の城です。戦国時代には、武田氏が旭山城に対抗するための城として、上杉氏によって築かれたと伝えられています。落合氏の家臣である大峰氏がこの城を管理していたという説もありますが、その詳細な歴史については不明な点が多く残されています。しかし、城跡には堀切などの遺構が今も残っており、当時の姿を偲ぶことができます。

川中島の戦いと大峰城

大峰城は、川中島の戦いにおいて、武田氏と上杉氏の両軍にとって重要な拠点でした。そのため、幾度となく激しい争奪戦が繰り広げられました。最終的には武田氏の支配下となりましたが、その戦略的な価値は非常に高いものでした。

観光開発と模擬天守の建設

1959年、皇太子の結婚を記念して、大峰山と地附山を一体化する公園計画「大峰山自然公園案」が策定されました。翌1960年には、長野市が観光開発を推進するため、大峰山と地附山一帯の開発案が打ち出されました。当初は山頂に仏舎利塔を建設する計画もありましたが、工事中に山城の遺構が発見されたことから、山頂に城郭型の展望台を建設する案が浮上しました。その後、大峰山史跡調査委員会からは、戦国時代の城を模した展望台を建設することが望ましいという意見が出ました。

1962年、長野市は観光振興のため、4階建ての鉄筋コンクリート製の模擬天守を大峰山に建設しました。この模擬天守は、室町時代後期に建てられた丸岡城天守閣をモデルにしたもので、建設費用は約5000万円でした。完成後、多くの観光客が訪れ、夜間にはライトアップも行われ、長野市のシンボルとして親しまれました。その後、展望台として利用された後、1981年4月には「大峰城チョウと自然の博物館」として生まれ変わりました。

博物館としての歴史と閉鎖

博物館には、国内外から約3000種もの蝶の標本が集められ、1階と2階が博物館、3階が城の歴史紹介コーナー、4階が展望台として利用されました。開館当初は多くの来場者がありましたが、次第に減少していき、遠足やハイキングの目的地として利用されるようになりました。しかし、1985年に発生した地附山の地すべり災害によりアクセスが悪化し、来場者数は大幅に減少しました。建物の老朽化も進んだため、2001年に博物館は閉鎖されました。標本の受け入れ先が見つからないまま、2007年12月に博物館は完全に閉鎖されました。現在、模擬天守は使われず、老朽化が進行しています。また、博物館は国有林にあるため、長野市は休館後も国への借地料を毎年支払っています。受け入れ先が見つからなかった標本は、2012年1月から長野市青少年錬成センターで保管されています。

現在の大峰城

現在、展望台を兼ねた模擬天守は閉鎖されており、山頂は草木が生い茂っているため、善光寺や長野市街方面の景観はほとんど望めません。大峰城から約1.3kmほど下山した麓には、上杉謙信が川中島の戦いで物見をしたとされる「謙信物見岩」があり、そこからは景色を眺めることができます。しかし、麓の霊山寺から登った方がより早く到達することができます。

交通アクセス

大峰城へは、雲上殿にある大峰山の登山道を登ってアクセスします。公共交通機関を利用する場合、以前は長野駅からバスが出ていましたが、現在は廃止されています。自家用車を利用する場合は、JR・しなの鉄道・長野電鉄長野駅から約20分です。

ギャラリー

（画像ギャラリーのマークダウンは省略）

出典

（出典元のリストは省略）

関連項目

川中島の戦い
日本の城一覧

外部リンク

大峰城チョウと自然の博物館 - ウェイバックマシン（2004年12月5日アーカイブ分）
大峰城周辺地図／Yahoo!地図情報
* 大峰城 - 城郭研究者・余湖浩一による解説ページ

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