大島 (福岡県)

大島 - 神秘的な自然と文化遺跡に包まれた島

大島（おおしま）は、福岡県宗像市に位置する有人島であり、響灘と玄界灘の境界に面しています。筑前諸島の一部とし、離島振興法に基づく離島振興対策実施地域に指定されています。この島は約7.17平方キロメートルの面積を持ち、福岡県の離島の中でも最大の広さを誇ります。

地理

大島は宗像市本土側の神湊港から北西に約6.5キロメートルの位置にあり、約5キロメートル海上には地島があります。玄界灘と響灘を分ける位置にあり、西側は玄界灘、東側は響灘となっています。島の地形は丘陵地であり、起伏が激しく、中央の御嶽（みたけ）は標高224メートルで島の最高峰です。また、大島の東部には本土との交通を担う大島港があり、フェリーターミナルがあります。この港周辺には人家や集落が集中し、人口は約540人、278世帯が住んでいます。

歴史

大島の歴史は深く、1889年（明治22年）には宗像郡大島村としての村制が施行されました。1905年には沖合で日本海海戦が行われ、多くのロシア軍の遺体が流れ着き、地元住民は丁寧に埋葬したとされています。2005年には宗像市に編入され、行政が統合されました。

また、1935年からは下関要塞の一部として大島砲台が設置され、戦後にはその一部が残され、現在でも歴史的な遺構として訪れる人々に深い印象を与えています。2012年からは日ロ共同での慰霊祭が行われ、2017年には「神宿る島」宗像・沖ノ島の一部として世界遺産に登録されました。

宗教施設

大島には数多くの宗教施設が点在しています。御嶽山頂には御嶽神社があり、古代には中津宮の祭祀場でした。さらに、港の近くには宗像三女神の一部を祀る宗像大社中津宮が存在し、その北には沖津宮遥拝所が設けられています。沖津宮は女人禁制であり、江戸時代の後期に創設され、晴れた日には沖ノ島を見ることができます。これらの施設は、神秘的な雰囲気と共に、訪れる人々に強い感動を与えています。

島内の主要施設と名所

島には多くの観光名所と主要施設があります。役場である宗像市大島行政センターや宗像市立大島学園などがその一例です。また、海洋体験ができる「うみんぐ大島」や、御嶽神社、安倍宗任の墓所、夢の小夜島など、多くの見どころがあります。特に、風車展望所からは絶景が楽しめ、晴れた日には沖ノ島を望むことができます。

産業と交通

漁業が島の主要な産業で、小規模な農業も行われています。特に甘夏やアカモク、海塩などが特産品として広く知られています。交通面では、フェリーが宗像市の神湊港と大島港を結び、観光路線バスも運行されています。また、レンタサイクルが利用できるため、自然と文化をたっぷりと楽しむことが可能です。

大島は、その神秘的な雰囲気と、それを支える歴史的な背景、独特な文化が織り成す空間です。訪れる人々は、神々しい自然とともにこの島の魅力を存分に味わうことができるでしょう。

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