大島誠治

大島誠治（おおしま せいじ）

大島誠治は、1854年（安政元年）に肥前国大村藩（現在の長崎県）で生まれました。旧大村藩士の家に生まれ、幼名は三四郎と名乗っていました。彼は日本の官僚、法律家、そして教育者として、明治時代の近代化に大きく貢献した人物です。

生い立ちと教育

大島は、藩の貢進生として大学南校に入学し、フランス語を学びました。その後、開成学校を経て、1876年（明治9年）に司法省法学校を卒業。司法省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

文部省での活躍

司法省から文部省に移った大島は、1886年（明治19年）に仏学会（後の日仏協会）の創立会員となり、フランス法学の普及に尽力しました。1887年（明治20年）には、東京仏学校の校長に就任し、教育者としての才能を発揮します。彼は文部省参事官を務めながら、東京仏学校で法律科の講師も兼任しました。1889年（明治22年）に東京法学校と合併するまで校長を務めました。合併後も、1890年（明治23年）には文部省参事官、大臣官房、普通学務局を兼務し、その後も文部大臣秘書官、文部書記官、大臣官房文書課長など、要職を歴任しています。

第四高等学校校長として

1893年（明治26年）1月には、第四高等中学校の校長に就任しました。1894年（明治27年）には高等学校令により同校が旧制高等学校に改編されると、初代校長として学校の基礎を築き、教育の発展に貢献しました。1897年（明治30年）3月まで校長を務めました。

会計検査院へ

第四高等学校校長を退任後、1897年（明治30年）8月には会計検査院検査官に任命されました。彼はその職務を全うし、日本の財政を監督しました。

その後と死

大島誠治は、1912年（明治45年）1月6日に胃癌のため58歳でこの世を去りました。彼の墓は青山霊園にあります。その功績から正四位勲三等が授与されました。

著書と訳書

大島は、法学に関する著書や翻訳も残しており、日本の法学の発展に貢献しました。著書には『法学入門』があります。また、ボアソナードの『仏国民法財産篇講義』の翻訳にも携わりました。

まとめ

大島誠治は、明治期の日本において、官僚、法律家、教育者として多岐にわたる分野で活躍しました。特に文部省での行政官としての活動、東京仏学校や第四高等学校での教育者としての貢献は、日本の近代化に大きく寄与しました。彼の生涯は、教育と行政の両面から日本の発展を支えた人物として、後世に語り継がれています。

栄典
1907年（明治40年）12月27日 - 従四位

主な著書
『法学入門』 金港堂、1887年

主な訳書
ボアソナード述・大島三四郎ほか筆記『仏国民法財産篇講義』 博聞社、1880年
ボアソナード述・大島三四郎ほか筆記『仏国民法財産篇講義』 弘令社、1881年
ボアソナード述・大島三四郎ほか筆記『仏国民法財産篇講義』 岡島宝玉堂、1883年
ボアソナード述・大島三四郎ほか筆記『仏国民法財産篇講義』 小笠原書房、1883年
* ボアソナード述・大島三四郎ほか筆記『仏国民法財産篇講義』 錦光堂、1884年

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