大津神社 (伊勢市)

大津神社（おおつじんじゃ）

大津神社は、三重県伊勢市豊川町に位置し、伊勢神宮外宮の末社の一つです。外宮に含まれる八つの末社の中では第七位にあたり、神社は北御門の脇にある小道を進む必要があり、訪れる人にひっそりとした落ち着きのある雰囲気を提供しています。

概要

この神社は、外宮の境内内に存在しており、度会国御神社からさらに約50メートル奥に鎮座しています。祭神として祀られているのは葦原神（あしはらのかみ）で、元々は五十鈴川の河口にあった港町や大湊の守護神としての役割を担っていました。社殿は玉垣に囲まれており、訪れた人々が自由に賽銭を納める場所はありません。また、参拝者は神社の先に位置する上御井神社（かみのみいのじんじゃ）には立ち入ることができません。このように、摂社や末社は神宮式年遷宮の対象外であるため、大津神社の建物は20年ごとの改築対象には含まれず、永らくその姿を変えずにいるのが特徴です。

歴史

大津神社の創建時期は詳細にはわかっていませんが、伊勢神宮外宮の末社として存在していた可能性は高いです。『延喜式神名帳』には記載がありませんが、平安時代初期には度会宮の所管として公認されていました。これは、大津神社が平安時代以前から存在していたと考えられるきっかけとなります。

一時期、神社の位置が不明となり、祭祀が途絶えたとされています。明治4年（1871年）には、度会県が神祇省に輸送した記録により、外宮末社であるとして足穂神社を大津神社と届け出ました。しかし、この届け出は地域住民に無断で行われたため、村の代表者と神宮司庁間での意見対立が生じました。神宮司庁が足穂神社を大津神社として扱おうとしたものの、古老たちが「大津社」との名を聞いたことがないと主張し、証拠不足も手伝って村方の意見が尊重されました。その結果、神宮司庁は新たに社殿を設けることとなり、同年中に再興が成し遂げられました。

実際の社殿は、大正12年に該当する1923年3月に建て替えられています。

アクセス

大津神社へのアクセスは非常に便利です。公共交通では、JR参宮線や近鉄山田線の伊勢市駅南口から徒歩で約5分程度、また三重交通の「伊勢市駅前」や「外宮前」バス停からも徒歩で到着することができます。自家用車の場合、伊勢自動車道の伊勢西インターチェンジからも三重県道32号線を利用して約5分で到着可能で、無料の駐車場が434台分完備されています。

このように、交通手段も充実しており、訪れる価値の高い神社と言えるでしょう。大津神社は、静けさと歴史を感じながら、地元の文化や信仰の一端に触れることができる特別な場所です。

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