大熊山

大熊山（おおくまやま）

大熊山は、富山県中新川郡上市町に位置する標高1628.5mの山です。富山県登山連盟によって「富山の百山」の一つに選定されています。大日連峰の前衛峰として、早月川の左岸にそびえ立ち、早乙女岳から続く北の尾根に位置しています。

概要

山頂はなだらかな台地で、一部には草原が広がっています。この山頂からは、毛勝三山、大日岳、そして剱岳といった名峰を一望できる、非常に眺望の良い場所として知られています。登山者にとっては、これらの山々の雄大な景色を一度に楽しめる魅力的なスポットです。

生態

大熊山の植生は標高によって変化に富んでいます。標高1200m以下の地域では、立山杉の巨木がその存在感を放っています。標高が1200mを超えると、ブナやミネカエデといった樹木が中心となり、森林を形成しています。さらに標高1500m地帯では、ダケカンバが優勢となります。

山頂付近には、池塘が点在する草原が広がっており、イワショウブや高山植物として知られるチングルマなど、珍しい植物が生息しています。その他にも、イワカガミ、コバイケイソウ、ツマトリソウ、ミツバオウレン、モウセンゴケといった、多様な植物を観察することができます。これらの植物は、大熊山の豊かな自然環境を象徴する存在となっています。

登山

大熊山への登山ルートは複数存在します。

無雪期

無雪期には、小又林道から尾根に取り付くルートが一般的です。このルートは、急な斜面が続く細尾根道であり、登山には相応の体力が必要です。富山の百山によると、ゲートからの往復歩行時間の目安は約7時間とされています。しっかりと準備をして臨む必要があります。

残雪期

残雪期には、比較的緩やかなコット谷を登るルートが利用されます。このルートでは、約2.5時間程度で山頂に到達できます。また、大熊谷から登るルートも存在しますが、こちらは急斜面となっているため、注意が必要です。

参考文献

『富山県山名録』 桂書房
『富山の百山』 北日本新聞社

関連項目

* 上市町

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