大豆油

大豆油：私たちの食卓に欠かせない植物油

大豆油は、大豆の種子から抽出される油脂で、世界的に最も広く利用されている植物油の一つです。サラダ油として馴染み深いだけでなく、マヨネーズやマーガ[[リン]]、ドレッシングなど、様々な食品の原料として欠かせない存在となっています。

大豆油の特徴

大豆油は、淡黄色の半乾性油で、リノール酸を約50％含むなど、特徴的な脂肪酸組成を持っています。具体的には、リノール酸約50%、オレイン酸約20%、パルミチン酸約10%、リノレン酸約10%、ステアリン酸約5%から構成されています。この脂肪酸組成が、大豆油の風味や機能性を決定づける重要な要素となっています。また、ヨウ素価は124～139、ケン化価は189～195、比重は0.916～0.922と、物理化学的な性質も明確に定義されています。精製された大豆油の引火点は328℃、発火点は363℃と比較的高いですが、純度が低い場合はこれらの温度が低下します。

大豆油の製造方法

古くから、大豆油の採取には低温圧搾法が用いられてきました。しかし、この方法は採油効率が低いため、現在では主に溶媒抽出法が採用されています。溶媒抽出法では、破砕した大豆にn-ヘキサンなどの溶媒を加えて油分を抽出します。溶媒の使用については懸念の声もありますが、ヘキサンは沸点が69℃前後と低いため、加熱処理によって容易に除去することができ、安全性が確保されています。

大豆油の用途

大豆油は、価格が安価で、色や臭いが少ないという特長から、天ぷら油やサラダ油として広く利用されています。家庭用調理油として販売されているものは、酸化を防ぐために菜種油やコーン油などの他の植物油、あるいはクエン酸などの酸化防止剤が添加されていることが一般的です。

また、大豆油はエマルション（乳化）を作りやすい性質を持つため、マヨネーズやドレッシングなどの原料としても最適です。さらに、水素添加によって硬化させることもできるため、マーガ[[リン]]やショートニングの原料としても重要な役割を果たしています。

食用用途以外にも、大豆油は工業製品の原料としても幅広く利用されています。合成樹脂、塗料、石鹸、リノリウムなどに用いられるほか、近年では透明性を利用した大豆インキとしても使用されています。さらに、精製過程で取り除かれたリン脂質は、大豆レシチンとして健康[[食品]]などに加工されています。

大豆油と世界の油脂生産

2010/11年度において、大豆油の生産量は世界第2位（1位はパーム油）でした。アメリカ合衆国では、植物油消費量の3分の2を大豆油が占めるなど、世界的な需要の高さが伺えます。日本においても、液状植物油消費量の約4割弱を占め、菜種油に次いで重要な食用油となっています。

まとめ

大豆油は、安価で多様な用途を持つ、私たちの生活に不可欠な植物油です。その製造方法や安全性についても理解を深めることで、より積極的に活用できるようになるでしょう。

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