大隅野里駅

大隅野里駅

大隅野里駅（おおすみのざとえき）は、かつて鹿児島県鹿屋市野里町に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）大隅線の駅でした。1987年（昭和62年）3月14日、大隅線の全線廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。

現在、駅の跡地には当時の駅舎がそのまま残されており、フィットネスパース（自転車歩行者専用道路）の休憩所として活用されています。

歴史

この駅は、海上自衛隊鹿屋航空基地に隣接していたため、軍事的な側面も持ち合わせていました。第二次世界大戦以前には、旧日本海軍の航空基地として開設され、駅からは基地内へと約3kmの専用線が敷設され、資材や弾薬の輸送に利用されていました。しかし、1945年（昭和20年）3月19日には、米軍の空襲を受け、貨物線に停車中の弾薬を積んだ貨車が爆発。これにより駅舎は壊滅的な被害を受け、駅員4名と荷役作業をしていた海軍関係者が犠牲となりました。

年表

1915年（大正4年）7月11日：南隅軽便鉄道の野里停留場として開業。
1916年（大正5年）：南隅軽便鉄道が大隅鉄道に改称。
1935年（昭和10年）6月1日：大隅鉄道が国有化され、古江線の駅となり、大隅野里駅に改称。
1936年（昭和11年）10月23日：古江線の路線名変更により、古江西線の駅となる。
1938年（昭和13年）10月10日：線路幅を1,067mmへ改軌。古江東線と古江西線が統合され、再び古江線となり、同線の駅となる。
1945年（昭和20年）3月19日：米軍の空襲により大きな被害を受ける。
1952年（昭和27年）3月25日：鉄筋コンクリート造の駅舎に改築。
1960年（昭和35年）6月10日：貨物の取り扱いを廃止。
1962年（昭和37年）4月1日：荷物の取り扱いを廃止し、旅客のみを取り扱う無人駅となる。
1972年（昭和47年）9月9日：志布志駅 - 国分駅間の全線開通に伴い、古江線が大隅線に改称され、大隅線の駅となる。
1978年（昭和53年）3月：駅舎を改装。
1987年（昭和62年）3月14日：大隅線の全線廃止に伴い、駅も廃止。

駅構造

大隅野里駅は、単式ホーム1面1線と側線1本を有する、列車交換のできない駅でした。かつては有人駅でしたが、廃止時には無人駅となっていました。戦後に建設されたコンクリート製の駅舎は、無人化後も廃止時まで存在し、現在はフィットネスパースの休憩所として利用されています。

隣の駅

日本国有鉄道

大隅線

鹿屋駅 - 大隅野里駅 - 大隅高須駅

1938年（昭和13年）10月10日の改軌以前は、鹿屋駅と大隅野里駅の間に田崎駅（1915年（大正4年）7月11日設置）、大隅野里駅と大隅高須駅の間に滝ノ観音駅（1927年（昭和2年）2月設置）がありました。

参考文献

久木田 末夫『鹿児島の鉄道・百年』春苑堂出版、2000年、p.167。ISBN 4-915093-71-9
『日本鉄道旅行地図帳 12号 九州沖縄』新潮社、2009年。ISBN 978-4-10-790030-2

関連項目

日本の[[鉄道駅]]一覧
廃駅

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