大隅鉄道4形蒸気機関車

大隅鉄道4形蒸気機関車の歴史と特長

大隅鉄道4形蒸気機関車（おおすみてつどう4がたじょうききかんしゃ）は、大隅鉄道にて使用された重要な蒸気機関車です。この機関車は、時代のニーズに応えるために設計されたものであり、後に大隅鉄道の国有化に伴いケ280形へと改番されました。

概要

大隅鉄道4形は、1919年から1921年にかけて鉄道の需要が高まったことを受けて製造されました。特に1921年12月には4号機（製番46）が名古屋の日本車輌製造で製造され、その後には1924年10月に5号機（製番131）も同様に作られました。これらの機関車は、当時の鉄道運営業務において非常に重要な役割を果たしました。

設計と構造

この機関車は、設計時点で一般的だったC車軸配置を持ち、単式2気筒飽和式の14トン級サイド・ウェルタンク機であることが特長です。実際の重さはおおよそ15tに達しましたが、公称では13t機関車としていました。また、弁装置にはワルシャート式が採用され、制動装置は手ブレーキ及び蒸気ブレーキの二種類を備えています。連結器はピンリンク式です。

4号機関車は、これまでの設計を凌駕する自主設計として、北海道製糖の機関車設計を取り入れています。その外観は北海道製糖向け機関車と似ていますが、大隅鉄道用機関車のサイドタンクが長めである点が異なります。また、この機械はオーレンシュタイン・ウント・コッペル社からの影響も強く、ボイラーと関連する部分の設計には独自性がありました。

運用の歴史

大隅鉄道4形の頑丈な作りと14t級のパワーは、新製後すぐに同鉄道の主力として重用される要因になりました。1935年6月1日に大隅鉄道が国有化されると、古江線（後の大隅線）で順次ケ280形ケ280・ケ281に改番され、その後も1938年10月10日の改軌工事に至るまで運用が続きました。

次に、松浦線での運用が始まります。この線でも、本機は重要な役割を果たしましたが、転用される際には軸重の問題がありました。戦後、購入者からの需要が高まり、1948年4月15日に井笠鉄道に払い下げられることとなりました。井笠鉄道では、当初4と付番されていた従前の機関車を事故により廃車したため、改番が行われ、8号機に指定されました。

しかし、新たに転入したこの機関車は、従来使用されていた機関車に比べて重量オーバーで、しばらく使用された後に余剰となりました。1949年には休車となり、その後は約10年間も鬮場車庫に留置され続けます。ついに1961年に新しいディーゼル機関車が導入されると、廃車処分が決定され、同年10月に正式に廃車となりました。

まとめ

大隅鉄道4形蒸気機関車は、時代を超えて多くの技術的洗練を備えた機関車であり、多くの鉄道の歴史を彩る存在でした。その活躍した時代、改造や転用によって数多くの運用が行われ、歴史的にも非常に重要な役割を果たしました。この機関車に関する記録は、鉄道の発展の一端を知る貴重な資料であり、今なお多くの人々の興味を引き続けています。

もう一度検索