天台山国清寺

国清寺（こくせいじ）

国清寺は、中華人民共和国浙江省台州市天台県天台山に位置する仏教寺院であり、天台宗の中心的な寺院として重要な役割を果たしています。この寺院は、中国の全国重点文物保護単位にも指定されており、その歴史的・文化的価値が認められています。

歴史

国清寺の創建は、智顗（ちぎ）によって始められましたが、彼の没後、隋の開皇18年（598年）に完成しました。当初は天台寺という名前でしたが、後に国清寺と改称されました。会昌の廃仏によって一時的に廃止されましたが、大中5年（851年）に再建されました。

隋の時代から、国清寺は天災や人災に何度も見舞われ、その度に再建を繰り返してきました。現在の建築物は、清の雍正年間に再建されたものが主体となっています。また、文化大革命の際には大きな破壊を受けましたが、周恩来の命令によって再建されました。

建築

国清寺の多くの建築物は比較的新しいものですが、寺院の外には隋代のものとされる六面九層の塔（通称「隋塔」）が残っており、その歴史を今に伝えています。

文化大革命後の修復の過程で、北京の故宮博物院などから多くの文物が国清寺に移されました。そのため、境内に安置されている仏像などには、非常に貴重なものが含まれています。

また、天文学者としても知られる僧侶、一行（いちぎょう）がこの寺で活動したことから、境内には一行法師の碑や塔が建てられています。

文化

国清寺は、寒山（かんざん）と拾得（じっとく）という二人の僧侶がいたことでも有名です。この二人に豊干（ぶかん）を加えて、国清三聖と称されています。

日本との関係

国清寺は、日本の仏教の歴史においても非常に重要な寺院です。最澄（さいちょう）が道邃（どうすい）から教えを受けたほか、円珍（えんちん）、円載（えんさい）、重源（ちょうげん）、栄西（えいさい）、成尋（じょうじん）、俊芿（しゅんじょう）など、多くの日本の僧侶がこの寺を訪れています。

文化大革命による破壊からの復興間もない1975年には、日本の天台訪中団が国清寺を訪問しました。境内には、日本の出資によって建立された法華経の経幢などがあります。

このように、国清寺は中国仏教だけでなく、日本仏教とも深い関わりを持ち、両国の文化交流の歴史を物語る重要な場所となっています。

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