豊干

豊干（ぶかん）

豊干（生没年不詳）は、中国・唐代の禅僧であり、豊干禅師とも呼ばれています。寒山、拾得と共に「三聖」の一人として知られています。

人物

豊干の出身地や出自については、ほとんど情報が残されていません。しかし、その奇行ぶりは広く知られており、天台山の国清寺に住み、総髪に毛皮の衣をまとい、眉を整えた独特の姿をしていたと伝えられています。仏道の教義について問われると、いつも「随時」と答えたとされています。

虎に乗って道歌を歌いながら国清寺に現れたという逸話も残っており、虎に乗る豊干の姿は、後世に多くの絵画として描かれました。

寒山・拾得との関係

豊干は、国清寺の厨房で働く寒山と拾得という二人の奇人と親交がありました。彼らはかまどの番をしながら、一日中向かい合って話をしていましたが、その内容を理解できる者はおらず、周囲からは「風狂子」と呼ばれていました。しかし、豊干だけは二人の言葉を理解し、彼らもまた豊干に心を開いていたと伝えられています。

ある時、豊干は閭丘胤という人物に対し、国清寺でかまどの番をし、食器を洗っている寒山と拾得は、実は文殊菩薩と普賢菩薩の化身であると告げたという逸話が残っています。この話が事実であれば、豊干は二人の非凡さを見抜いていたことになります。

伝記資料

『景徳伝灯録』

関連項目

四睡図
寒山寺
上野若元
仙厓義梵
霊彩

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