天鎧鵬貴由輝

天鎧鵬 貴由輝について

天鎧鵬 貴由輝（てんかいほう たかゆき）は、1984年10月14日に熊本県玉名市で生まれた元大相撲力士で、尾上部屋に所属していました。本名は南 貴由輝（みなみ たかゆき）で、高校や大学での相撲活動を経て、2007年にプロ入りしました。身長183cm、体重188kgという体格を持ち、得意技は右四つ・寄りです。彼の相撲キャリアの中で、最高位は西前頭8枚目（2013年11月場所）でした。引退後は年寄・北陣として活動を続けています。

初期の相撲人生

天鎧鵬は、小学校1年生のときから相撲を始め、その巨体を武器に相撲界に足を踏み入れました。熊本市立河内中学校では、九州中体連相撲個人戦で3位に入賞し、全国大会への出場を果たしました。その後、文徳高校で相撲を学び、3年連続で全国高等学校総合体育大会に挑戦、高校2年時にはベスト8、高校3年時にはベスト16に進出した実績があります。

大学進学後は、日本大学相撲部に入部し、大翔湖、山本山、清瀬海らと共に切磋琢磨しました。卒業間近に尾上部屋に入門し、2007年1月場所で初土俵を踏みました。

プロキャリアの歩み

初めて名前が番付に載ったのは、2007年3月場所でしたが、四股名の誤記がありました。序ノ口、序二段をそれぞれ1場所で突破し、2007年7月場所には三段目で7戦全勝を達成して優勝しました。その後は、順調に番付を上げていきましたが、2008年7月場所で初めて負け越しを経験しました。2010年11月場所には6勝1敗で優勝決定戦に進出するも、優勝を逃します。

2011年7月場所で新十両に昇進し、改名した「天鎧鵬」という四股名ですが、これは出身地や父親の希望にちなんで命名されました。新十両での初土俵は10勝5敗という成功を収め、その後も順調に番付を昇進させていきました。2012年には新入幕を果たし、しばらくは幕内と十両を行き来する日々が続いたものの、幕内での安定した成績を狙い続けました。

チャレンジと崩壊

2013年7月場所において10勝を挙げ、9月場所でも勝ち越しを果たし自己最高位の西前頭8枚目へ到達しましたが、11月場所では大敗し、翌年1月には再び十両へ降格する悲劇を迎えます。さらにケガの影響にも悩まされ、2014年には十両から幕下へ陥落しました。以降、何度か復帰を果たすも、力士生活において常に怪我に悩まされることが多くなり、2019年に現役を引退しました。

引退後の活動

引退後、元大関の琴奨菊から名跡を借りて年寄としての道を歩み始めました。協会の規定に従い、年寄に就任する運びとなり、引退会見では心の底から「やりきった」と語り、今後の力士育成に意欲を見せました。また、テレビへの出演やYouTubeチャンネルへの参加を通じて、相撲界の発展に貢献しています。

エピソード

テレビ番組『ぴったんこカン・カン』や、ミュージックビデオにも出演し、多彩な顔を持つ天鎧鵬。新型コロナウイルスの影響を受けつつも、自身の経験を活かし、相撲界での地位を築く努力を続けています。また、漢字検定準2級を取得するなど、相撲以外の分野でも力を入れている姿勢が伺えます。彼のキャリアは、成功と挫折を織り交ぜながらも、相撲界に対する情熱が絶えないことを物語っています。

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