太田博

太田博（おおた ひろし）

太田博氏は、1936年10月7日に生まれた日本の外交官であり、外交評論家としても知られています。兵庫県出身で、東京大学教養学部教養学科を1959年に卒業後、外務省に入省しました。長年にわたり、日本の外交政策に重要な役割を果たし、数々の要職を歴任しました。

経歴

太田氏は、1960年に外務省に入省後、着実にキャリアを重ねました。以下に主な経歴をまとめます。

1976年：外務省国際連合局科学課長に就任。
1978年：外務省大臣官房調査部企画課長に就任。
1980年：在アメリカ合衆国日本国大使館参事官として勤務。
1983年：外務省大臣官房外務参事官兼経済局に就任。
1984年：経済協力局も兼務（経済局免）。
1987年：在大韓民国日本国大使館公使として赴任。
1988年：駐韓国特命全権公使に昇進。
1989年：外務事務官・大臣官房審議官（科学技術担当）に就任。
1992年：サウジアラビア駐箚特命全権大使に任命。
1994年：国際交流基金専務理事に就任。
1996年：タイ駐箚特命全権大使としてタイに赴任。
1999年：外務省を退官。
2000年：日本国際フォーラム専務理事に就任。
2014年：岡崎研究所の理事長に就任。
2017年：岡崎研究所の理事長を辞任。

特に、サウジアラビアとタイの特命全権大使を歴任したことは、太田氏の外交官としてのキャリアにおける重要な功績です。これらの国々との外交関係の強化に尽力しました。また、国際交流基金や日本国際フォーラムといった組織での活動を通じて、文化交流や国際協力にも貢献しました。

岡崎研究所での活動

2014年、太田氏は岡崎研究所の理事長に就任しました。岡崎研究所は、日本の外交・安全保障政策に関する研究を行うシンクタンクです。太田氏は、前理事長の故岡崎久彦氏の遺志を継ぎ、研究所の運営に尽力しました。2017年には、後進に道を譲るため理事長を辞任しましたが、その間、日本の外交政策に大きな影響を与えました。

同期

太田氏と同期には、以下のような著名な外交官がいます。

林貞行：駐英大使、外務事務次官、外務審議官
福田博：最高裁判所裁判官、外務審議官
谷野作太郎：駐中国大使、駐印大使、内閣外政審議室長
数原孝憲：青年海外協力隊事務局長、駐アイルランド大使、駐ナイジェリア大使
小野寺龍二：駐墺大使
伊藤憲一：日本国際フォーラム理事長、青山学院大学教授
小西芳三：駐ペルー大使
片倉邦雄：大東文化大学教授、駐エジプト大使、駐イラク大使、駐アラブ首長国連邦大使
古川栄一：日本国際戦略センター設立

これらの同期の外交官たちも、日本の外交に多大な貢献をしています。

関連人物

太田氏と関連の深い人物として、以下の人物が挙げられます。

岡崎久彦：岡崎研究所初代所長で、太田氏の外務省時代の上司。
茂田宏：岡崎研究所3代目所長。

太田氏は、岡崎久彦氏の薫陶を受け、その外交思想を継承しました。

まとめ

太田博氏は、長年にわたり日本の外交を支え、重要な役割を果たしてきた外交官です。サウジアラビアやタイでの大使としての活躍をはじめ、国際交流基金や日本国際フォーラムでの活動、そして岡崎研究所での貢献など、多岐にわたる分野でその手腕を発揮しました。そのキャリアは、日本の外交史において重要な足跡を残しています。

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