子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎

子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎

『子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎』は、1974年公開の映画で、勝プロダクションが製作し、若山富三郎が主演を務めた『子連れ狼』シリーズの第6作にして最終作です。

概要

本作は、映画版『子連れ狼』シリーズの完結編であり、脚本は原作者の小池一雄から中村務に引き継がれました。シリーズの象徴である手押し車を橇に改造し、雪山でのスキースタントという、これまで以上にスケールの大きなアクションが展開されます。中村務によると、シリーズ6作目にして、原作に準拠した人間ドラマが尽きたため、アクションを主体とした構成になったとのことです。

当初、監督は三隅研次が予定されていましたが、「こんなものは西部劇だ」として辞退。しかし、若山富三郎が雪山でのアクションを強く希望したため、アクション演出に長けた黒田義之が監督に抜擢されました。中村務は、黒田監督とのコンビとなった本作が、若山にとってシリーズを通して初めて、誰にも遠慮することなく自身が思い描くアクションを演じられた作品だったのではないかと語っています。

雪山でのロケは、蔵王のスキー場で1ヶ月半かけて行われました。スキースタントは当初、殺陣師の宍戸大全がスキーヤーを集めて撮影に臨みましたが、手押し車の橇を使ったアクションが上手くいかず、地元のプロスキーヤーに交代。ジャンプ台を使用した防御型の殺陣に変更されました。柳生先陣が棒高跳びの要領で一刀を襲うシーンも、宍戸大全が棒高跳びの選手を起用して撮影されました。

撮影は雪の中で行われたため、機材のバッテリーが氷点下20度を下回ると放電し、撮影が中断されるというトラブルも発生しました。原因が判明するまで、撮影は何度も中断を余儀なくされたそうです。

若山富三郎主演のシリーズは本作で完結したため、拝一刀と宿敵・柳生烈堂との決着は描かれないまま、物語は未完のまま幕を閉じました。

スタッフ

製作：若山富三郎、真田正典
原作：小池一雄、小島剛夕
脚本：中村努
監督：黒田義之
助監督：小倉洋二
撮影：牧浦地志
音楽：村井邦彦
美術：内藤昭
録音：林土太郎
照明：美間博
編集：谷口登司夫
殺陣：宍戸大全

キャスト

拝一刀：若山富三郎
柳生香織：瞳順子
拝大五郎：富川晶宏
石根小角：睦五郎
無堂：草野大悟
無我：宮口二郎
無門：石橋蓮司
将軍：石山律雄
梓：小林千枝
今西采女：守田学哉
富田帯刀：藤山浩二
清田竜之介：佐藤京一
堀江太郎衛門：滝義郎
畠中多門：原田力
岡田業之進：西田良
真崎弥十郎：岩尾正隆
渡世人：森章二
鳥追女：山吹まゆみ
土蜘蛛兵衛：木村功
柳生烈堂：大木実

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