孫慮

孫慮（そん りょ）

孫慮（そん りょ）は、中国三国時代の呉の皇族。孫権の子で、字は子智。

生涯

幼少の頃より聡明で才能に恵まれ、父である孫権に深く愛されました。黄武7年（228年）に建昌侯に封じられます。

黄龍元年（229年）、孫権が都を武昌から建業へ遷都した際、太子である孫登や他の皇子たちは武昌に留め置かれました。陸遜が彼らの教育係に任じられましたが、当時、孫慮は闘鴨に夢中になっており、陸遜から学問に励むよう諫められました。すると孫慮はすぐに闘鴨の施設を壊したと伝えられています。

黄龍2年（230年）、顧雍は孫慮の位を王に引き上げるよう上奏しました。孫権は当初これを拒否しましたが、尚書僕射からも同様の進言があったため、王位を与える代わりに軍府を開設することを認め、鎮軍大将軍に任じました。黄龍3年（231年）には、九江付近の半州に府を開きます。この時、薛綜が招かれ、長史として事務を統括しました。

孫慮は若年であったため、その力量を危ぶむ声もありましたが、法を遵守し、師や友の言葉を尊重したため、周囲の期待を上回る成果を上げました。

嘉禾元年（232年）春正月に、わずか20歳で死去。孫権はその死を深く悼み、食事が喉を通らないほどであったと伝えられています。

陳寿は、孫慮を孫和と共に「優れた資質を備え、自ら修養に励んだ人物」と評価しつつも、その早すぎる死を惜しみました。

人物評

孫慮は、若くして才能を発揮し、周囲の期待に応える優れた人物であったと言えるでしょう。短命であったことが惜しまれます。

参考文献

陳寿、裴松之注『正史 三国志』、井波律子・今鷹真・小南一郎 訳・解説（ちくま学芸文庫全8巻、1992 - 93年）、※呉書は6・7・8巻、小南一郎訳。

脚注

（参考文献の情報を元に作成）

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