完全去勢

完全去勢（Total Emasculation）

完全去勢とは、男性の生殖器、特に陰茎や両精巣、さらにはその関連組織を全て切除する外科手術のことを指します。この手術は、一般に「完全去勢」として知られ、英語では「total emasculation」と呼ばれます。日本における文献では、全除精術、全去勢術、全陰部切断術といった名称が使われることもあります。

医学的観点からの完全去勢

医学的には、完全去勢は非常に重大な手術であり、さまざまな理由から行われることがあります。具体的な手術内容としては、陰茎全摘出、両側精巣除去、外陰部の切除、さらに腫瘍が陰嚢まで広がっている場合や、重度の外傷を受けた場合などに実施されることが多いです。また、性別適合手術として、トランスジェンダーの人々が望む場合にも行われることがあります。

手術が行われると、男性としての生理機能は完全に失われ、立って排尿することも不可能になります。手術後、尿道は元の位置から新しい位置に移設され、一般的には肛門の前方あたりに開口されることが多いです。これにより、患者は生活の質や身体的な営みの面で大きな変化を経験します。

歴史的・文化的背景における完全去勢

歴史的には、多くの文化圏において完全去勢は行われてきました。特に中国では、宦官と呼ばれる去勢された官吏が存在し、国や地域によってその手法はさまざまでしたが、基本的には「完全去勢」が行われていました。宦官は当時、権力の中枢で活躍する重要な立場にありました。

また、宗教的な理由に基づく自己去勢の事例もあります。古代ギリシャやローマのキュベレ教徒や、18世紀のロシアのスコプツィ教徒は、儀式の一部として完全去勢を施していました。これらの事例には、宗教的な信念や社会的な役割が大きく影響しています。

インドにおいては、ヒジュラーと呼ばれる宗教集団が存在し、そのメンバーは完全去勢を行っています。このように、文化や地域に応じて完全去勢の意味合いや行われ方が異なります。

さらに、アフリカ東部の部族間の戦争においては、捕虜に対する完全去勢が行われることがあり、これもまた異なる文化における慣習として知られています。

結論

完全去勢は医学的、歴史的、文化的な観点から多くの意味を持つ施術であり、その背景にはさまざまな目的や動機が隠れています。この手術は、一度施されると男性の生理機能が根本的に変わるため、医療と倫理の観点から慎重に考慮されるべき重要な課題です。

もう一度検索