実順

実順の生涯と影響

実順（じつじゅん）は、明応3年（1494年）から永正15年（1518年）まで生きた浄土真宗の僧であり、西証寺の住持を務めた人物です。彼は本願寺第8世法主である蓮如の11男として生まれ、母は畠山政栄の娘である蓮能尼です。また、妻の妙祐も蓮淳の娘という家族を持ち、子供には実真と実従室がいました。実順の諱は兼性で、右衛門督として知られています。

幼少期と出家

実順は、明応3年に本願寺の8代目法主蓮如とその5番目の夫人である蓮能尼との間に生まれました。幼少期は大坂御坊で母に育てられ、彼の信仰と宗教生活が育まれる基盤となりました。永正2年（1505年）には出家し、河内の西証寺の住持として任命されました。

河内国錯乱と破門

しかし、彼の人生は困難によって彩られました。永正3年（1506年）、河内国では政乱が発生し、細川政元に協力するために動員令が発せられました。この時、実順は大坂で兄の実賢を擁立するという事件に巻き込まれ、実如の命により下間頼慶に捕らえられることとなります。乱の後、実順は兄や母に連座する形で破門され、約三年間の浪々の生活を強いられました。この困難な時期にあたる京都での生活の中で、彼は自らの信念を見つめ直し、新たな道を模索しました。

復帰と死

永正6年（1509年）、曇華院門跡の仲介により破門は解かれ、再び西証寺の住持に戻ることができました。しかし、その後も示された信仰の道は簡単ではありませんでした。永正15年（1518年）3月11日、実順は享年25で亡くなります。彼の死は、浄土真宗界に一定の衝撃を与えました。

後継者と血統の断絶

実順の死後には、長男の実真が西証寺の住持を継承しましたが、彼も享禄2年（1529年）には13歳という若さで早世してしまいます。これにより実順の血統は断絶し、西証寺の住持の地位は実順の岳父である異母兄の蓮淳が引き継ぐことになりました。ここで実順の家族関係と彼の影響が、浄土真宗に新たな波をもたらしたと言えます。

参考文献

実順に関する詳しい情報は、平松令三の著書『真宗人名辞典』に収められています。この書籍は法蔵館から1999年に出版されており、信仰の歴史を知るための貴重な資料です。ISBNは4831870153です。

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