宮原積

宮原積（みやはら つもる / せき）

宮原積は、1823年（文政6年）に生まれ、1884年（明治17年）に没した、幕末の鳥取藩士であり、歌人、そして明治期の内政官僚です。通称を大輔、号を海宇と称しました。

生涯

鳥取藩士の家に生まれた宮原積は、藩内で儒者助役、学校文場吟味役、国学方、詩文方などを歴任し、藩政に深く関わりました。特に、藩校・学館に国学局が設置された際には、国学者の取り立て役を任され、飯田年平、新貞老、小谷古蔭といった優れた学者を起用しました。これらの活動から、宮原積の学識の高さと人材を見抜く能力が伺えます。

幕末の動乱期には、宮原積は国事に奔走しました。慶応4年6月5日（1868年7月24日）には、維新政府によって徴士・越後府権判事に登用され、新政府の一員として活動を開始しました。その後、刑法官監察使を経て、高山県知事に任命され、地方行政に携わることになります。

明治5年1月20日（1872年2月28日）には、福島県権令に転任し、大区小区制を推進しました。しかし、同年6月2日（7月7日）に権令を罷免され、その官僚としてのキャリアを終えることになります。

業績

宮原積は、幕末の激動期から明治維新という大きな変革期に、藩士、歌人、そして官僚として様々な役割を担いました。特に、藩政においては国学の振興に尽力し、維新後は地方行政の改革に貢献しました。短期間ではありましたが、高山県知事、福島県権令という要職を務め、その行政手腕を発揮しました。

人物

宮原積は、学識豊かで、多才な人物であったとされています。国学、漢学、和歌に通じ、その才能は多岐に渡りました。また、人材を見抜く力にも長けており、多くの優秀な学者を育成しました。激動の時代を生き抜き、その才能を様々な分野で開花させた宮原積は、まさに時代を代表する人物の一人と言えるでしょう。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
『鳥取県大百科事典』新日本海新聞社、1984年。
太政官「公文録・明治元年・第十四巻・戊辰一月～己巳六月・諸侯伺（池田因幡守慶徳）」。国立公文書館 請求番号：本館-2A-009-00・公00014100

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