宮城県道10号塩釜亘理線

宮城県道10号塩釜亘理線

宮城県道10号塩釜亘理線は、宮城県塩竈市を起点とし、亘理郡亘理町に至る、全長約38.2kmの主要地方道です。この道路は、太平洋に面した仙台湾沿岸を走り、塩竈市中心部から、仙台塩釜港の塩釜港区、仙台港区を経由し、仙台空港の滑走路下をトンネルで通過。その後、亘理町中心部へと至ります。沿線には、新産業都市「仙台湾地区」の臨海工業地帯が広がっています。

概要

この道路は、仙台都市圏では「浜街道」という愛称で呼ばれており、地域住民に親しまれています。国道6号が「陸前浜街道」と呼ばれることが少ないため、区別して使用されています。

東日本大震災の影響

かつて、閖上大橋南詰の五差路交差点は渋滞の名所でしたが、東日本大震災時には、閖上大橋が事故で閉鎖、交差点の信号が停電で機能せず、避難車両が殺到し大渋滞が発生。津波に巻き込まれ、多くの犠牲者が出ました。震災後、閖上地区では土地区画整理事業が行われ、五差路は十字路に改修されました。

復興と防災

仙台市の復興計画では、この道路を海岸堤防、防潮林に続く津波への多重防御の3段階目と位置づけ、地盤から約6m嵩上げする工事が実施されました。2014年3月に着工し、当初は2019年3月末の完成を目指しましたが、地盤改良などの必要性から開通が遅れ、2019年10月19日に開通。しかし、令和元年東日本台風（台風19号）による大雨で道路のり面の表土が流出し、同年11月30日に再延期となりました。

また、この道路より海側は「災害危険区域」に指定される予定です。

東部復興道路との関係

東部復興道路の開通に伴い、同道路と並行する6.8kmの区間は、東部復興道路が県道10号に指定され、旧道は仙台市道となりました。

路線データ

実延長：38.2km（仙台市管理分13938.4m、宮城県管理分24240.8m）
起点：塩竈市港町
終点：亘理郡亘理町字旧館（亘理警察署前）

沿革

1972年（昭和47年）9月：名取川に架かる閖上大橋が開通。
1981年（昭和56年）6月20日：阿武隈川に架かる亘理大橋が開通。
1989年（平成元年）3月：高砂橋を含む新浜工区が開通。
1990年（平成2年）8月：仙台空港トンネルが開通。
1993年（平成5年）5月11日：主要地方道に指定。
2006年（平成18年）4月：岩沼市の矢野目工区が開通。
2011年（平成23年）3月11日：東日本大震災により多くの区間が通行止め。
2011年（平成23年）5月20日：仙台市内の一部区間が通行止め解除。
2014年（平成26年）6月30日：名取市内の一部バイパス道路が部分供用開始。
2016年（平成28年）3月21日：下増田道路改良事業の全線供用開始。
2016年（平成28年）12月19日：岩沼市内の津波対策バイパス道路が供用開始。
2019年（令和元年）11月30日：東部復興道路の開通に伴い、一部区間が移管。

路線状況

重複区間

塩竈市港町交差点 - 多賀城市八幡一丁目交差点：国道45号
仙台市宮城野区仙台港入口交差点 - 仙台市宮城野区中野石橋交差点：宮城県道23号仙台塩釜線

主要構造物

高砂橋（七北田川）
閖上大橋（名取川）
仙台空港トンネル（仙台空港滑走路下を通過）
亘理大橋（阿武隈川）

地理

通過する自治体

塩竈市
多賀城市
仙台市（宮城野区、若林区）
名取市
岩沼市
亘理郡亘理町

交差する道路

国道45号
宮城県道11号塩釜港線
宮城県道58号塩釜七ヶ浜多賀城線
宮城県道143号多賀城停車場線
宮城県道23号仙台塩釜線
宮城県道141号今市福田線
E6 仙台東部道路 仙台港IC
宮城県道139号蒲生福田線
宮城県道137号荒浜原町線
宮城県道54号井土長町線
宮城県道129号閖上港線
宮城県道127号杉ヶ袋増田線
宮城県道20号仙台空港線
宮城県道125号岩沼海浜緑地線
宮城県道123号荒浜港今泉線
宮城県道38号相馬亘理線
国道6号・宮城県道14号亘理大河原川崎線

沿線の施設

塩竈市水道局
宮城県貞山高等学校
三井アウトレットパーク仙台港
仙台うみの杜水族館
仙台港
震災遺構仙台市立荒浜小学校
JRフルーツパーク仙台あらはま
海岸公園冒険広場
かわまちテラス閖上
宮城県総合教育センター
仙台空港
宮城県亘理高等学校
* 亘理警察署

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