宮川村 (岐阜県)

宮川村について

宮川村（みやがわむら）は、かつて岐阜県吉城郡に存在した村です。2004年（平成16年）に周辺の古川町、神岡町、河合村と合併し、飛騨市の一部となりました。この合併により、宮川村という名前は地図上から消えましたが、その歴史と文化は今も飛騨市の中に息づいています。

地理

宮川村は、岐阜県の北部に位置し、飛騨高地の北端に広がっていました。村の中央を南北に流れる宮川が、村の名前の由来となっています。東西は山地が連なり、集落は宮川沿いの河岸段丘上に形成されていました。この地形が、村の景観を特徴づけていました。

村の南部には、宮川の流路に沿って跡津川断層が走り、この断層上にはニコイ高原が広がっています。ニコイ高原には池ヶ原湿原があり、豊かな自然が残されていました。また、村の北西部を流れる万波川の上流には、標高1,000mの万波高原があり、ここは大根の産地として知られていました。

主な山には、白木峰、蕎麦角山、高山、流葉山、漆山岳があり、宮川と万波川が村の主要な河川でした。

歴史

宮川村は、1956年（昭和31年）に坂上村と坂下村が合併して誕生しました。その後、2004年（平成16年）に周辺町村と合併し、飛騨市の一部となりました。この合併により、宮川村としての歴史に幕を閉じましたが、その名前は今も地域の人々の記憶に深く刻まれています。

交通

宮川村には、高山本線が通り、坂上駅、打保駅、杉原駅がありました。これらの駅は、村の人々の生活を支える重要な交通手段でした。道路に関しては、村内には高速道路はありませんでしたが、国道360号が宮川沿いに走り、かつての越中西街道の役割を果たしていました。この国道は、飛騨国と越中国を結ぶ重要なルートでしたが、冬季には閉鎖されることもありました。また、国道471号と国道472号の重複区間も村内を通っていました。その他に、岐阜県道481号坂上停車場線や、打保谷林道、小坂谷林道などの道路が利用されていました。

名所・旧跡・観光スポット

宮川村には、多くの自然と歴史的な名所がありました。ニコイ高原と池ヶ原湿原は、その代表的なもので、多くの観光客が訪れていました。また、ニコイ大滝や、まんがサミットハウスおんり〜湯、飛騨まんが王国などの観光施設もありました。種蔵棚田は、「かおり風景100選」にも選ばれ、雨上がりの石積みが美しい景観を作り出していました。さらに、塩屋金清神社遺跡は、この地域の歴史を物語る重要な場所でした。

教育

宮川村には、宮川中学校と宮川小学校がありました。しかし、時代の流れとともに、多くの小中学校が廃校となりました。種蔵中学校、大無雁中学校、坂下中学校、大無雁小学校、種蔵小学校、種蔵小学校ニコイ平分校、坂下小学校、坂下小学校小豆沢冬季分校、坂下小学校洞分校、坂下小学校打保冬季分校、坂上小学校、坂上小学校小谷冬季分校などが、その例です。

その他

宮川村の電気事業は、地域によって異なっていました。旧坂上村は中部電力が、旧坂下村は北陸電力が担当していました。この違いは、大正時代に建設された日本電力蟹寺発電所の影響によるもので、当初工事用動力として利用された電力が、その後も継続して供給されたことが理由です。

宮川村は、豊かな自然と歴史を持つ魅力的な村でしたが、現在は飛騨市の一部として新たな道を歩んでいます。しかし、その遺産は、今も人々の心に深く刻まれ、大切にされています。

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