富永益生

富永 益生

富永 益生（とみなが ますお）は、1971年3月31日に愛知県豊橋市で生まれた日本の競輪選手である。日本競輪選手会愛知支部に所属し、地元の豊橋競輪場を主戦場として活動している。彼は競輪学校の第66期生として、多くの有力選手と共に学び、プロの道を歩み始めた。

経歴

家族背景と競輪への道

富永家はスポーツに縁があり、末弟は元大相撲力士で現在は年寄を務める武雄山喬義氏である。益生自身は三兄弟の次男にあたる。

愛知県立新城高等学校時代は、幼少期から親しんできたサッカーを続ける傍ら、同校の先輩である名レーサー、松井英幸（52期）が所属していたサイクリングクラブ「天狗党」にも籍を置いた。後に松井氏が1986年の世界自転車選手権プロスプリントで中野浩一氏に次ぐ準優勝という快挙を成し遂げたことを知り、自身も自転車競技、そして競輪の世界で挑戦することを決意する。競輪学校では、児玉広志や岡部芳幸といった後のトップ選手たちと同期として研鑽を積んだ。

プロキャリアの開始

1990年8月9日、奈良競輪場でのレースでデビューを果たし5着。そのわずか二日後の同年8月11日、同じく奈良競輪場にてプロ初勝利を飾った。

トップ戦線での活躍

デビュー後、富永選手は着実に実力をつけ、1992年の高松宮杯競輪以降、2009年の競輪祭に至るまで、長期にわたり特別競輪（現在のGIレース）にほぼ毎回出場する常連選手となった。これは、彼が長年にわたり日本の競輪界の最高峰で戦い続けてきた何よりの証である。GI優勝には惜しくも手が届かなかったものの、GIIレースでは輝きを見せ、1993年のふるさとダービー（武雄競輪場）と1996年の共同通信社杯競輪（名古屋競輪場）でそれぞれ決勝進出を果たし、8着の成績を残している。

通算500勝達成の金字塔

選手として30年以上のキャリアを重ねる中で、富永選手は一つの大きな金字塔を打ち立てた。2024年5月12日、富山競輪場で行われたFII開催の初日第9レース（特予選）において勝利し、自身にとって通算500勝を達成したのである。この記録は、1983年4月のS級創設以降、女子選手4名を含めて55人目となる快挙であり、選手登録日から数えて33年10か月11日という長い歳月をかけて達成されたものである。長期間、高いレベルで戦い続けたベテラン選手のみが到達できる偉大な記録と言えるだろう。この功績に対し、規定に基づき後日、競輪を統括するJKA（日本競輪選手養成所）より表彰が行われる予定となっている。

まとめ

地元である豊橋競輪場をホームバンクとして、常にファンに熱い走りを見せてきた富永選手。通算500勝という区切りを迎え、選手としてのキャリアは円熟期を迎えているものの、その経験と技術は衰えを知らず、今後もファンを魅了する走りを見せてくれることだろう。長年の功績は、多くの後輩選手たちの目標であり、郷土の競輪ファンにとっては誇りである。

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