寺尾常史

寺尾常史について

寺尾常史（てらおつねふみ、1963年2月2日 - 2023年12月17日）は、鹿児島県姶良郡加治木町、現在の姶良市に生まれ、井筒部屋に所属した大相撲力士です。本名は福薗好文（ふくぞのよしふみ）で、最高位は東関脇でした。身長185cm、体重116kgの力士として知られ、得意技は突っ張り、押し、いなし、叩き、下手投げでした。引退後は親方として活動し、錣山部屋を設立しました。

生い立ちと入門

寺尾の生まれ故郷は東京都墨田区ですが、大相撲入り後は鹿児島県を出身地としています。彼は父である鶴ヶ嶺に厳しく育てられ、幼少期から敬語を使うなどしていました。その父は厳格な教師であり、体罰は行わなかったものの、寺尾には高い期待を寄せていました。

小学校と中学校では相撲に興味がなく、安田学園高校に進学後、相撲部に誘われて入部。厳しい稽古を受ける中で、試合で勝つことの喜びを知り、次第に角界入りを望むようになりました。母の死後、長兄に相撲取りになることを勧められ、心を決めて高校を中退し、井筒部屋に入門しました。

現役力士としてのキャリア

1979年7月、寺尾は井筒部屋で初土俵を踏み、四股名を「寺尾節男」と名乗りました。1984年には新十両で「源氏山力三郎」と改名するも、1場所限りで元の名前に戻します。1985年1月場所で見事な成績を収め、十両優勝を果たし、その後新入幕となります。寺尾は1989年には関脇に昇進し、1990年には横綱土俵入りの太刀持ちを務めるなど様々な実績を残しました。また、彼は横綱たちから金星を獲得し、相撲界での存在感を示しました。

1997年、怪我により連続出場記録が途切れるも、以降も現役を続行し、最高齢での再入幕を果たすなど、努力を続けました。結局、2002年に幕下に陥落し、引退を決意しました。

引退後の活動

寺尾は引退後、年寄・錣山を襲名し、2004年には錣山部屋を設立しました。彼は部屋を通じて数多くの力士を育て、関脇や小結といった成績をあげる弟子も輩出しました。また、彼は心臓の持病を抱えながらも、指導に尽力し続けました。2022年11月、弟子の阿炎が幕内最高優勝を果たした際、彼は心臓の病気で入院中にもかかわらず嬉しさを表現しました。

晩年と死去

寺尾は2023年12月、うっ血性心不全のため亡くなりました。60歳という短い生涯でしたが、相撲界での功績は多大でした。彼の戒名は「錣山院優好豊瑛居士」で、多くの友人や弟子たちがその死を悼みました。

家族とエピソード

寺尾は家族を大切にし、弟子たちとも深い絆を築いていました。趣味はパチンコやゴルフ、音楽鑑賞であり、特に「鬼滅の刃」の大ファンでもありました。強部屋作りを心掛け、弟子たちには健康的な食生活を送らせることにも意力を注いでいました。引退後も絶え間ない努力を続けた寺尾は、相撲界に多くの影響を与えた存在でした。

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