小坂町 (岐阜県)

小坂町の概要

小坂町は、かつて岐阜県益田郡に存在した町です。2004年3月1日に、周辺の3町1村と合併し下呂市となり、その歴史に幕を閉じました。現在は下呂市小坂地域としてその名を残しています。

地理

小坂町は、飛騨地方の南東部に位置し、御嶽山の飛騨側登山口がありました。御嶽山から続く急峻な地形が特徴で、集落は飛騨川や小坂川、その支流沿いの谷底に形成されていました。

町の面積の97%を山林が占め、そのうち6割以上が国有林でした。特に、天保林には「森の巨人たち百選」に選ばれたヒノキの巨樹がそびえ立っていました。また、日本百選にも選ばれた根尾の[[滝]]をはじめ、数多くの滝が存在し、町が組織した滝調査委員会が数年かけて調査した結果、5m以上の滝だけで200箇所以上が確認されました。この調査結果から、「日本一滝の多い町」として広く知られるようになりました。御嶽山の賽の河原からシン谷へ落ちる標高2800m地点には、日本最高所の滝があります。御嶽山周辺は御嶽山県立自然公園に指定されており、長野県側は御岳県立公園という名称で親しまれています。

主な山は御嶽山で、河川には飛騨川、小坂川が流れていました。

歴史

1875年、益田郡の11ヵ村が合併して筑摩県益田郡小坂村が誕生しました。その後、1889年には町村制の施行により益田郡小坂村が発足。1898年には町制を施行し小坂町となりました。そして2004年、下呂町、萩原町、金山町、馬瀬村との合併により下呂市が誕生し、小坂町は廃止されました。

行政

歴代の町長が町政を担い、国内では石川県の押水町、国外ではブラジルのサレゾポリス市と姉妹都市提携を結んでいました。

教育

町内には小坂中学校、小坂小学校、湯屋小学校がありました。また、過去には岐阜県立益田高等学校小坂分校や、小坂中学校の滝上開拓地冬期分校、小坂小学校滝上分校も存在していましたが、いずれも廃校となっています。

経済

古くから林業の町として栄え、国有林が大部分を占めていたため、町内に営林署が設置されるほどでした。旧名古屋営林局管内では、木材生産量が最上位を誇っていました。近年では、自然と温泉を活かした観光業も盛んになっています。

交通

鉄道は、JR高山本線が通り、飛騨小坂駅が設置されていました。道路は、国道41号や岐阜県道88号下呂小坂線などの主要道路がありました。また、長距離自然歩道である中部北陸自然歩道も整備されていました。

名所・旧跡・観光スポット

名所・旧跡
長谷寺：臨済宗妙心寺派の寺院で、益田西国三十三霊場28番札所です。
御嶽山：信仰の対象としても知られる山です。
根尾の[[滝]]：日本の[[滝百選]]にも選ばれた名瀑です。
飛騨小坂サイクリングロード：小坂森林鉄道の軌道跡を利用したサイクリングロードです。
巌立峡：柱状節理が美しい渓谷です。
小坂郷土館：地域の歴史や文化を紹介する施設です。
道の駅南飛騨小坂：観光拠点として利用されています。
朝六座：大正時代に建てられた劇場・映画館です。

温泉

小坂温泉郷は、環境省の国民保養温泉地に指定されています。

濁河温泉：通年営業の温泉街としては、日本最高所に位置します。周辺には亜高山帯原生林が広がり、遊歩百選に選定された原生林探勝路も整備されています。また、御嶽山周辺の自然を活用するために「岐阜県御嶽少年自然の家」も設置されています。
湯屋温泉：歴史ある温泉地として知られています。
* 下島温泉：静かな環境で温泉を楽しめます。

小坂町は、豊かな自然と歴史、そして温泉に恵まれた魅力的な地域でした。

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