小島勝言

小島勝言（こじま かつとき）

小島勝言は、室町時代後期の公家であり武将です。飛騨国司である姉小路家宗家、小島家の当主として知られています。

生涯

小島持言の子として生まれた勝言は、室町幕府第7代将軍足利義勝から偏諱を受け、その名を名乗りました。当時の姉小路家は、小島家、古川家、向家の三家に分裂し、それぞれが飛騨国司を称していました。勝言は小島家の嫡流として生まれましたが、家督を巡る争いに巻き込まれていきます。

長禄3年（1460年）に在京していた勝言は、翌年、所領安堵の御教書を携えて帰国しました。これは、前年に小島家が管理する山科家の領地を巡り、父・持言との間で争論が発生し、その結果、父が死亡したためと推測されています。この争いに乗じて、飛騨国守護代の多賀清直が山科家の領地を横領するという事態も発生しました。寛正6年（1465年）には、足利義尚の誕生を祝うため上洛しています。

応仁元年（1467年）に勃発した応仁の乱は、京だけでなく、地方にも影響を及ぼしました。応仁2年（1468年）には、勝言と古川基綱の間で所領を巡る内紛が発生し、武力衝突に発展しました。小島家、古川家、向家がそれぞれ姉小路家の主流を主張し、争いが激化。文明8年（1476年）には、勝言の嫡子が戦死するという悲劇も起こりました。しかし、戦況は小島家に有利に展開し、勝言は古川家と向家をほぼ制圧しました。これは、勝言が飛騨守護京極氏の西軍勢力と同盟していたためと考えられています。

文明8年、9年には小島家が勝利し、その後に和睦が成立したことが『大乗院寺社雑事記』に記されています。文明12年（1480年）、勝言は領国を幕府に安堵され、小島家による姉小路家統一を確実なものとしました。しかし、翌文明13年（1481年）、勝言は4歳の子（小島時秀）を残して死去しました。この結果、古川基綱が時秀の後見となり、小島・古川両郷の所領は古川家のものとなりました。文明18年（1486年）には、足利義政が遠山加藤左衛門尉を派遣し、小笠原氏らに協力を命じており、3家並立の状態は存続することとなりました。

参考文献

岡村守彦『飛騨中世史の研究』（戎光祥出版、2013年発行）

関連項目

京極騒乱

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