小島職鎮

小島 職鎮についての詳細

小島 職鎮（こじま もとしげ）は、日本の戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、特に神保氏、上杉氏に仕えたことで知られています。彼の姓はまた小嶋とも表記されますが、いずれも同一人物を指します。職鎮は、家臣として両氏の命運に大きく関与した重要な人物でした。

略歴の概略

職鎮は神保長職の重臣として名を馳せ、享禄年間には越前国の朝倉氏との交渉が行われていたことからも、彼の政治的手腕がうかがえます。当時、神保家の再興に尽力した職鎮の存在は、長職の家族と家業を支える上で欠かせないものであったと考えられています。

しかし、神保家が上杉家に敗北した後、職鎮は上杉家に仕官し、親上杉派として振る舞いました。この際、親一向宗であった武田派の寺島職定と対立し、結果として神保家中の実権を握ることとなります。長職が没した後、職鎮は上杉家の家臣として新たな道を歩み、越中衆の代表的な存在として厚遇されました。

日宮城の防衛

元亀3年（1572年）5月、小島職鎮は加賀一向一揆の大規模な攻撃に直面し、日宮城に篭城しました。しかし上杉軍の援軍が到着する前に、彼は降伏開城するという決断を下しました。この戦いは尻垂坂の戦いとして知られ、上杉軍は神通川の渡し場で一揆勢に襲撃され、手痛い損害を被りました。職鎮はこの状況に対して弁明に力を尽くしましたが、それでも上杉氏からはその後も恩恵を受け続け、特に上杉謙信が没した後には、彼の遺品である太刀を授与されています。

甲州征伐と富山城の急襲

天正10年（1582年）3月には、甲州征伐で窮地にあった武田勝頼を支援する形で、職鎮は織田軍の背後を突くために魚津城を攻囲していました。彼は唐人親広と共に富山城を急襲し、神保長職の息子である長住を幽閉しました。しかし、柴田勝家率いる織田軍によって鎮圧され、その後の動向は不明瞭となりました。職鎮は上杉軍の一員として、佐々成政の越中平定に対しても抵抗したとされていますが、その後は歴史の舞台から姿を消しました。

職鎮の影響と遺産

小島職鎮の死後、彼の子孫や一族は越中富山藩士としての地位を得て、彼の遺志を受け継いだと考えられています。職鎮の生涯は戦国時代の複雑な権力関係や戦闘に対する戦略的なアプローチを反映しており、彼の物語は日本の歴史において重要な一部を成しています。職鎮の行動や選択は、当時の社会情勢を的確に反映していたと言えるでしょう。

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