小川軽舟

小川軽舟について

小川軽舟（おがわ けいしゅう）は、1961年2月7日生まれの日本の俳人です。本名は小川浩昭（おがわ ひろあき）で、千葉県千葉市で生まれました。東京大学法学部を卒業後、日本開発銀行（現在の日本政策投資銀行）に入行し、全国各地への転勤を経験しました。その後、2011年に阪神電鉄へ転籍し、2024年現在は常務取締役を務めています。

俳人としての歩み

小川軽舟は、東京大学卒業後に山本健吉の著書『現代俳句』を読んだことがきっかけで俳句を志しました。1986年に俳句結社「鷹」に入会し、藤田湘子に師事。この時、李白の七言絶句『早発白帝城』から取った「軽舟」を俳号としました。1999年には、小澤實の退会後、「鷹」の編集長に就任しました。

2001年には、第一句集『近所』で第25回俳人協会新人賞を受賞。2004年には評論集『魅了する詩型 - 現代俳句私論』で第19回俳人協会評論新人賞を受賞。2005年に師である藤田湘子の死去に伴い「鷹」の主宰を引き継ぎ、高柳克弘を編集長に任命しました。その後の句集として、『手帖』（2008年）、『呼鈴』（2012年）などを発表しています。2019年には『朝晩』で第59回俳人協会賞を、2022年には『無辺』で第57回蛇笏賞を受賞するなど、俳人として高い評価を受けています。また、評論集として、昭和30年世代の俳人を論じた『現代俳句の海図』（2008年）も著しています。

小川軽舟の俳句の特徴

小川軽舟の句は、丁寧で着実な作風であると評されています。代表句としては、「名山に正面ありぬ干蒲団」「ソーダ水方程式を濡らしけり」「偶数は必ず割れて春かもめ」「死ぬときは箸置くやうに草の花」などが挙げられます。これらの句からもわかるように、日常の風景や出来事の中に、独自の視点と繊細な感覚で捉え、俳句として表現する能力に長けています。

その他の活動

俳人としての活動の他に、2007年より毎日俳句大賞の選者を、2010年からは田中裕明賞選考委員を、2011年からは毎日新聞俳壇の選者を務めるなど、俳句界の発展にも尽力しています。

主な著書

句集
『近所』（富士見書房、2001年）
『手帖』（角川SSコミュニケーションズ、2008年）
『呼鈴』（角川学芸出版、2012年）
『掌をかざす　俳句日記2014』（ふらんす堂、2015年）
『朝晩』（ふらんす堂、2019年）
『無辺』（ふらんす堂、2022年）
選集
『ベスト100 小川軽舟』（ふらんす堂、2010年）
アンソロジー
『超新撰21』（邑書林、2011年）
評論・鑑賞・入門書
『魅了する詩型』（富士見書房、2004年）
『現代俳句の海図』（角川学芸出版、2008年）
『藤田湘子の百句』（ふらんす堂、2014年）
『ここが知りたい! 俳句入門　上達のための18か条』（角川学芸出版、2014年）
『俳句と暮らす』（中公新書、2016年）

参考文献

坂口昌弘著『平成俳句の好敵手』文學の森
筑紫磐井、高山れおな、対馬康子編 『超新撰21』 邑書林、2011年

外部リンク

主宰：小川軽舟について - 「鷹」ホームページ
増殖する俳句歳時記 - 小川軽舟の句
小川軽舟とは - 現代俳句人名事典 Weblio辞書
週刊俳句 Haiku Weekly: 小川軽舟 仕事場
『俳句と暮らす』／小川軽舟インタビュー

もう一度検索