小早川扶平

小早川扶平：激動の時代を生きた武将

小早川扶平（こばやかわ すけひら）は、戦国時代の武将であり、安芸・備後の国人領主として知られています。沼田小早川氏の当主として、その短い生涯の中で勢力の拡大と維持に奔走しました。

生い立ちと家督相続

文明17年（1485年）、小早川敬平の長男として生まれました。明応8年（1499年）に父の死去に伴い家督を継承し、沼田小早川氏の当主となります。父の時代に拡大した勢力を引き継ぎ、さらなる発展を目指しました。

細川政元の後ろ盾と勢力拡大

扶平は室町幕府の管領であった細川政元の勢力を後ろ盾として、積極的に領土拡大を図りました。文亀元年（1501年）には、杉原氏の領地であった備後三原を自らの領土とし、永正元年（1504年）には備後三原の代官職を与えられました。これらは全て細川政元の計らいによるものであり、扶平の勢力拡大に大きく貢献しました。

苦難の時代へ

しかし、永正4年（1507年）に細川政元が家臣によって暗殺されるという事件（永正の錯乱）が発生します。さらに、政元によって追放されていた第10代将軍足利義稙が大内義興によって奉じられ、上洛を開始すると、扶平は大内義興から上洛への参加を迫られるようになります。また、分家である竹原小早川氏の当主・小早川弘平も本家の扶平に反抗し、大内義興に恭順するなど、扶平を取り巻く状況は日に日に悪化していきました。

志半ばでの死

相次ぐ困難と重圧の中で、扶平は心労により病に倒れてしまいます。去就を定められないまま、永正5年（1508年）1月14日に24歳という若さで死去しました。跡は長男の興平が継ぎました。短い生涯ではありましたが、3人の子をもうけています。

小早川扶平は、激動の戦国時代において、家を守り、勢力を拡大しようと奔走した武将でした。しかし、時代の荒波に翻弄され、志半ばでその生涯を閉じることとなりました。



参考文献
* 今井尭ほか編『日本史総覧』 3（中世 2）、児玉幸多・小西四郎・竹内理三監修、新人物往来社、1984年3月。ASIN B000J78OVQ。ISBN 4404012403。 NCID BN00172373。OCLC 11260668。全国書誌番号:84023599。

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