小林良正

小林良正について

小林良正（こばやし よしまさ、1898年3月1日 - 1975年12月29日）は、日本の経済学者であり、経済学博士として知られています。彼は専修大学の名誉教授第1号でもあり、特に『講座派』に属し、マルクス経済学の視点から日本の資本主義を深く分析しました。

生い立ちと経歴

小林は東京に生まれ、東京帝国大学を卒業した後、1923年に専修大学の講師としてそのキャリアをスタートさせました。1929年には教授に昇進し、 akademicの世界での地位を確立しました。しかし、1930年には治安維持法違反の名目で逮捕されるも不起訴となり、教授職を辞任し、その後は社会評論家として活動を始めます。

1932年以降は岩波書店から出版された『日本資本主義発達史講座』に寄稿し、労農派との激しい論争を展開しました。この時期、彼の経済理論が一躍注目を浴びることとなります。

コム・アカデミー事件と転機

1936年、コム・アカデミー事件により再び逮捕され、駒込警察署で約8ヶ月にわたる厳しい取り調べを受けました。この経験を経て、彼は自身の理論を見直し、転向を表明します。その後、1937年に解放されましたが、その間の経験が彼の思想に大きな影響を与えたのは間違いありません。

大学での活動

戦後、彼は専修大学に復職し、1949年から経済学部長や大学院長、さらに学長を二度にわたり歴任しました。彼の指導のもと、多くの学生が経済学を学び、教育の質が向上しました。また、民主主義科学者協会や日本学術会議にも積極的に参加し、その活動は多岐にわたりました。

さらに彼は、ドイツ民主共和国との友好関係を築くための活動にも力を入れ、1974年には友好功労賞を受けるなど国際的な評価も受けました。

家族とその影響

小林の父である小林丑三郎も専修大学に関わった教育者であり、親子二代にわたって大学の発展に寄与しました。このように、彼の家庭環境や教育背景は、その後の彼の活動に大きな影響を与えたと考えられます。

主な著作

小林は経済に関する多くの著作を残しました。中でも以下の作品は特に評価されています。

• - 『ドイツ経済史要』（1928年、日本評論社）
• - 『日本産業の構成』（1935年、白揚社）
• - 『ロシア社会経済史』（1948年、八雲書店）
• - 『日本資本主義の生成とその基盤』（1949年、日本評論社）
• - 『アジア式生産様式研究』（1970年、大月書店）
• - 『日本資本主義論争の回顧』（1976年、白石書店）

これらの著作は彼の経済学的視点や分析手法を知る上での重要な資料です。小林良正は1975年に亡くなりましたが、彼の影響は今なお多くの経済学者や学生に受け継がれています。彼の業績は日本の経済学の発展において重要な役割を果たしており、今後もその教えが継承されることを願っています。

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