小笠原政登

小笠原政登の生涯と業績

生い立ちと家族

小笠原政登（おがさわら まさなり）は1685年に誕生した江戸時代中期の紀州藩士であり、江戸幕府の旗本でもありました。本名は政庸（まさつね）で、人生の様々な場面で壱岐助、玄蕃、弥之助、善五右衛門、平右衛門などの通称が使われました。父は紀州藩士の小笠原政尚で、母は藩士成田氏義の娘でした。家庭には子供が数人おり、息子には政方、政尹（政尚の養子）、長儀（小笠原長賢の養子）、政孝がいて、娘もおりました。特に長儀と政尹は家を継ぐ重要な役割を果たしました。

幕府でのキャリア

政登の経歴は、藩主・徳川吉宗の小姓として始まりました。1716年、吉宗が第8代将軍に就任するにあたり、政登も江戸に移り、幕臣としての地位を得ました。初めての拝領地としては安房国朝夷郡・安房郡で1000石が与えられ、従五位下、石見守に任命されました。その後も1725年には上総国望陀郡・市原郡に500石の加増を受けました。

政登は1728年には、吉宗の日光社参に供奉し、1729年には新番の頭役として任命されました。1732年には小姓組の番頭として奥の務めにも従事することとなり、1735年には御側御用取次に任命され、下野国都賀郡に1000石の加増も受けました。

吉宗の介護と後年

1745年、吉宗が将軍を辞職する際には、政登も江戸城西の丸に移り、1749年には下総国香取郡に3000石の加増を受けることとなりました。吉宗の逝去後、彼は1751年に菊間に移り、その功績を称えられ時服5領を賜りました。1755年に政登は致仕し、隠棲料として廩米300俵が支給されました。息を引き取ったのは1769年、享年85で、法名は高然といい、駒込の蓮光寺に埋葬されました。

相続については、長男の政方が家督を継承しました。

書記活動

1746年には、中風を患った吉宗の様子や介護に関する記録を『吉宗公御一代記』として全64冊にわたり著述しました。これは1747年から1750年にかけての活動であり、当時の状況を詳細に記録した貴重な資料となっています。

参考文献

政登に関する詳しい情報は、以下の文献からも得ることができます。

• - 『寛政重修諸家譜 巻第1242』
• - 国立公文書館の『旗本御家人III - 13.吉宗公御一代記』

この情報は、江戸時代中期の幕府の構造とその中での小笠原政登の役割を理解する上で重要なものです。

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