小藤恵

小藤恵（こふじ さとし）

小藤恵は、1888年（明治21年）7月25日に生まれ、1943年（昭和18年）10月25日に亡くなった日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍少将。

生い立ちと初期の軍歴

高知県出身で、陸軍少佐であった小藤亨三の長男として生まれました。東京府立第一中学校（現在の東京都立日比谷高等学校）、東京陸軍地方幼年学校、中央幼年学校を経て、1908年（明治41年）5月に陸軍士官学校（20期）を卒業。同年12月に歩兵少尉に任官し、歩兵第1連隊に配属されました。その後、1919年（大正8年）11月には陸軍大学校（31期）を卒業し、エリート軍人としての道を歩み始めます。

要職を歴任

1920年（大正9年）4月には参謀本部付勤務となり、その後、参謀本部員、チリー出張、チリー公使館付武官などを歴任しました。1923年（大正12年）8月には歩兵少佐に昇進。1925年（大正14年）5月には近衛歩兵第4連隊大隊長に就任し、再び参謀本部員、兼軍令部参謀（1926年11月-1929年3月）を務めました。1928年（昭和3年）8月には歩兵中佐に進み、1929年（昭和4年）3月には陸軍大学校の教官に転じ、後進の育成にも尽力しました。1932年（昭和7年）4月には歩兵大佐に昇進し、陸軍省人事局補任課長を経て、1935年（昭和10年）8月には歩兵第1連隊長に就任しました。

二・二六事件と予備役編入

順調なキャリアを築いていた小藤でしたが、1936年（昭和11年）の二・二六事件の影響により、同年3月に待命となり、同年7月には予備役に編入されました。

日中戦争への従軍と晩年

しかし、1937年（昭和12年）に日中戦争が勃発すると、同年9月に召集され、第18師団参謀長として出征。南京戦や広東作戦などに参戦しました。1938年（昭和13年）12月に召集解除となりますが、1939年（昭和14年）2月には再び臨時召集を受け、参謀本部付（支那事変史編纂委員）に就任。同年7月には予備役陸軍少将に進級しました。1941年（昭和16年）3月には支那事変史編纂委員長となり、歴史編纂にも携わりましたが、1943年10月にその生涯を閉じました。

親族

陸軍中将の久納誠一は義兄弟にあたり、陸軍中佐の高木作之は久納の娘婿にあたります。

栄典

1909年（明治42年）3月1日 - 正八位
1912年（明治45年）3月1日 - 従七位
1917年（大正6年）3月20日 - 正七位
1922年（大正11年）4月20日 - 従六位
1927年（昭和2年）5月16日 - 正六位

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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