小野徳三郎

小野 徳三郎

小野徳三郎（おの とくさぶろう）は、1882年5月19日に三重県亀山で誕生した日本の海軍軍人であり、青山学院の院長としても知られる重要な人物です。彼の経歴は海軍における多彩な活動と、キリスト教の普及に貢献する姿勢が特筆されます。

学歴と初期のキャリア

小野は海軍機関学校の第13期生として1905年に卒業し、優れた成績をおさめました。卒業時には恩賜の銀時計が授与されており、彼の将来の活躍が期待されました。また、1899年には名古屋教会で洗礼を受けるなど、早くから信仰に関心を持っていました。1909年には植村正久の一番町教会に入会し、信仰の道を深めると同時に、その後の海軍生活でも信仰を貫く姿勢を持ち続けました。

海軍における役割

彼のキャリアは、海軍大学校での学びを経て、佐世保海軍工廠での勤務が続きました。ここでは佐世保教会の設立にも大きく関わっています。1918年から1921年にかけてフランスに駐在し、帰国後は呉教会の長老を務め、地域の信仰活動に取り組みました。1928年からは横須賀に転任し、1930年には富士見町教会にて活動し続けます。

1932年には海軍工機学校の校長に就任し、翌年には海軍中将に昇進。1936年には現役を退き、予備役となりました。彼の軍人としてのキャリアは、海軍の発展に寄与してきたことが評価されていますが、それに加えて信仰的な活動も同様に重要視されていました。

教育の発展と信仰活動

1943年、小野は日本基督教団神学校財団の監事に就任し、同年の青山学院のストライキ事件の際には院長に選任されます。彼は軍事教練の教官に対して戦争を批判し、海軍中将という肩書きがあったにもかかわらず、免職を逃れました。1945年の終戦後には院長を辞任し、その後はキリスト教印刷株式会社を設立し、聖書の印刷と普及に力を注ぎました。

最晩年と評価

小野徳三郎は1956年5月1日に73歳で亡くなります。彼の墓所は多磨霊園にあります。彼の生涯は、海軍における卓越したキャリアと信仰のために尽力した姿が思い出され、後の世代に多大な影響を与えました。彼に与えられた栄典として、1934年には旭日重光章や事変従軍記章があります。

文献と参考情報

小野の生涯や業績については、青山学院の『青山学院九十年史』や『日本キリスト教歴史大事典』などで詳しく記されています。また、戦争の頃に青山学院の存続を守った院長の一人として、彼の功績は多くの人々に認識されています。

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